使用される電動機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 01:47 UTC 版)
「可変電圧可変周波数制御」の記事における「使用される電動機」の解説
主としてかご形三相誘導電動機や巻線形三相誘導電動機の制御に使用される。2000年代後半に入り、駆動周波数と回転周波数がほぼ正確に一致しオープンループ制御が可能となる高効率な永久磁石同期電動機(PMSM)や大容量な電磁石同期電動機が徐々に使用されつつある。ただしこれらは電動機1つにつき主制御器(インバータ)1台が必要な個別制御でなければ正常に駆動できず、重量、設置面積(この2点は、同期電動機に積極的な東芝が1つのパワーユニットに複数のインバータを収める2 in 1あるいは4 in 1と呼ばれる手法で軽減している)、価格、主制御器の保守などの面で課題が残る。対する誘導電動機は2つ以上の電動機を一括制御することも1つの電動機を個別に制御することもできる。 同期電動機の採用例を以下に挙げる。 フランス国鉄 (SNCF) TGV - 前期型は電磁石同期電動機を採用していたが、後期型ではかご形三相誘導電動機に替わっている。 東京地下鉄(東京メトロ) 02系電車 - 同01系電車での試験の後、02系の電機子チョッパ制御車を対象に永久磁石同期電動機を用いて更新改造を始めている。また、同社の16000系電車は永久磁石同期電動機を採用して新製・量産された日本初の例である。 東日本旅客鉄道(JR東日本) E331系電車 - E993系電車で採用された駆動方式、ダイレクトドライブとの組み合わせで量産先行車として製造したが、ダイレクトドライブ方式が他の系列に波及することなく2011年1月に運用を離脱し、そのまま2014年(平成26年)4月に廃車され現存しない。 揚水発電における揚水用電動機の始動。なお揚水用電動機は発電時は同期発電機として使用される。 単相誘導電動機は以下の点で可変速運転、特に低周波数での運転に適さないこと、また同出力であれば三相誘導電動機の方が安価であり費用面でも利点がないことから、基本的には使用されない。 一定回転数以下になると、始動用スタータコイルを制御する遠心力スイッチが動作しなくなり始動動作を繰り返す。 コンデンサ始動式では低電圧時十分な進相電流を流すことができず、ある条件下で突然始動するか過電流で異常停止する。 もっとも、単相誘導電動機を用いた既設機器を可変速運転したい需要があることも事実であり、あまり低い回転数で使えないことを条件に、高回転もしくは常時回転が要求されるファン、ポンプ用途に限定して単相電源-単相出力のインバータが製造販売されている。
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