住用村とは? わかりやすく解説

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住用村

読み方:スミヨウソン(sumiyouson)

参照 奄美市(鹿児島県)

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

住用村

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/19 04:21 UTC 版)

すみようそん
住用村
村旗 村章
1967年2月14日制定
廃止日 2006年3月20日
廃止理由 新設
名瀬市住用村笠利町奄美市
現在の自治体 奄美市
廃止時点のデータ
日本
地方 九州地方
都道府県 鹿児島県
大島郡
市町村コード 46526-7
面積 118.16 km2
(境界未定部分あり)
総人口 1,764
(2006年1月1日)
隣接自治体 名瀬市大和村宇検村瀬戸内町
村の木 アマミセイシカ
村の花 ヒルギ
住用村役場
所在地 894-1292
鹿児島県大島郡住用村大字西仲間111番地
座標 北緯28度15分56秒 東経129度24分28秒 / 北緯28.26561度 東経129.40772度 / 28.26561; 129.40772座標: 北緯28度15分56秒 東経129度24分28秒 / 北緯28.26561度 東経129.40772度 / 28.26561; 129.40772
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住用村(すみようそん)は、鹿児島県奄美大島にあったである。大島郡に属した。

2006年3月20日名瀬市および笠利町と合併し奄美市となり、奄美市の地域自治区でもある住用町となった[1]

地理

住用村は奄美大島の南部に位置し、島南東部の住用湾に面した。面積の約85%が険しい山岳地となっている。

人間歴

古代

  • 縄文時代以降 - 城字池平の通称サモトに人が居住していたことをサモト遺跡の発掘(1982年)で確認。

中世

  • 16世紀 - 琉球王国の住用間切となり、薩摩藩直轄後も続いた。さらに金久(後の城)など北部は須垂方(すたるほう)、山間など南部は住用方(すみようほう)と分かれていた。

近現代

住用間切

市村、山間村、屋勝村、田代村、役勝村、石原村、西中間村、神屋村、摺勝村、和瀬名村、金久村、見里村、東中間村、川内村

行政

  • 村長:師玉當章(しだま とうしょう)

産業

1995年の木材チップ工場の閉鎖後は、大きな事業所などがなく、2000年の国勢調査では建設業に従事する者がもっとも多かった。

自然

住用マングローブ林

住用のマングローブ林は主に住用川と役勝川の河口域に分布し、その面積は日本で2番目に広い。マングローブ林は支流によって複数の林に分けられている。住用マングローブ林を構成する樹種はメヒルギとオヒルギである。住用がオヒルギの北限となっている[2]。マングローブ林では独自の生態系が形成されている。林全域にはチゴガニやフタバカクガニ、ユビアカベンケイガニが生息している。干潟部ではオキナワハクセンシオマネキ、ツノメチゴガニ、コメツキガニが見られる。また準絶滅危惧種であるカタシイノミミミガイやシマカノコガイなど希少種も確認された。ほかにもオキナワアナジャコなどの分類特性上重要種が生息していることも明らかとなっている[3]

1991年以前、住用マングローブ林は、子供たちにとっての遊び場だった。ガサミ(ワタリガニ)を素手で捕まえたり、キス釣り大会が行われたりしていた。キス釣りでは、潮が引いているときには砂浜に立って釣り、潮が満ちているときには水に浸かりながら釣っていた。また、2月から3月ごろには、住用マングローブ林の沿岸に、アオサ(青海苔。和名はヒトエグサ)が生い茂る。アオサ摘みを行い、汁物や酢の物にして、現在でも食べられている。一方、1991年以降、奄美群島観光施設整備事業によって、住用マングローブ林は、観光地となった。カヌー体験を通して、住用マングローブ林の生き物と触れ合うことができる。[出典:世界自然遺産 命めぐる島 奄美 「森と海と人と」 ホライズン編集室 2022年。 p.94]

奄美群島観光施設整備事業にて観光施設の整備がされたため、奄美大島では、エコツーリズムを実施するためのツアーであるエコツアーが実施されている[4]。住用のマングローブ林では、カヌー体験をエコツアーの観光資源として活用している。カヌー体験では、住用のマングローブ林の植生を学びながら、マングローブの見学をすることができる。満潮時は、マングローブのトンネルをカヌーで通ることができ、干潮時は、ミナミトビハゼやミナミコツメツキガニ、シオマネキ類などのマングローブ林特有の生物や植物を観察することができる。また、マングローブ林内は琉球アユや甲殻類、その他の魚類の稚魚や幼生の生育場所になっている[5]

地域

集落

  • 石原(いしはら)
  • 市(いち)
  • 神屋(かみや)
  • 川内(かわうち)
  • 城(ぐすく)
  • 摺勝(すりがち)
  • 西仲間(にしなかま)
  • 東仲間(ひがしなかま)
  • 見里(みざと)
  • 役勝(やくがち)
  • 山間(やんま)
  • 和瀬(わせ)

教育

小・中学校

  • 住用村立住用中学校
  • 住用村立市小中学校
  • 住用村立東城小中学校
    • 和瀬分校 - 廃校
  • 住用村立住用小学校

交通

バス路線

一般路線バス

道路

一般国道
主要地方道
  • 鹿児島県道608号湯湾新村線
道の駅

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

住用村に関わりのある人物

  • 畠中三太郎 - 川辺町出身の農業指導員。1912年から1932年まで夫婦で峠の茶屋を営み、三太郎峠の名の由来となった。
  • 石原省三 - 元住用村村長(第10代)。村の産業振興、医療などに貢献。

脚注

  1. ^ a b ○名瀬市、大島郡住用村及び同郡笠利町の廃置分合に伴う地域自治区を設置する協議書 - 奄美市例規集 2011年12月25日閲覧。
  2. ^ 中須賀常雄, 大山保表, 春木雅寛「マングローブに関する研究 : I.日本におけるマングローブの分布」『日本生態学会誌』第24巻第4号、日本生態学会、1974年、237-246頁、CRID 1390282679269219968doi:10.18960/seitai.24.4_237ISSN 00215007 
  3. ^ 川瀬誉博, 藤井椋子, 古川拓海, 山口涼, 山本智子「住用マングローブ林における底生生物の分布」『Nature of Kagoshima』第44巻、鹿児島県自然環境保全協会、2018年6月、297-302頁、CRID 1050285700287144704hdl:10232/00031269ISSN 18827551 
  4. ^ 嶋田治一, 牧野晋, 和泉勝一, 坂口徳光「奄美大島本島におけるウリミバエの発生」『九州病害虫研究会報』第22巻、九州病害虫研究会、1976年、146-148頁、CRID 1390282679542190848doi:10.4241/kyubyochu.22.146ISSN 0385-6410 [出典無効]
  5. ^ 石綿しげ子「東京湾北部沿岸域の沖積層と堆積環境」『第四紀研究』第43巻第4号、日本第四紀学会、2004年、297-310頁、CRID 1390282681473677824doi:10.4116/jaqua.43.297ISSN 04182642 [出典無効]

参考文献

外部リンク

関連項目



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