伝染と宿主
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 03:04 UTC 版)
H5N1に感染したトリは唾液、鼻の粘液、糞、血液などによってウイルスを伝染させる。他の動物はこれらのものに直接接触することによってH5N1に感染すると思われる。 H5N1は0℃で30日、37℃で6日、常温で数週間感染力を保つことが出来る。北極のような環境でも変化することはほとんどない。渡り鳥はH5N1の宿主の一つであり、世界中にウイルスを輸送する。H5N1はこれまで知られていた他の高病原性トリインフルエンザ・ウイルスと違い、家禽以外の動物によっても伝染する。 2004年10月、H5N1はそれまでの予想よりずっと危険なウイルスであることがわかった。水鳥が高病原性H5N1株をニワトリ、カラス、ハトなどに伝染させていることが判明した。さらにウイルス自体も哺乳類に対する感染力を強めていった。パンデミックを遅らせることは出来るが、完全に止めることは不可能であると予想されている。 1997年以降、H5N1の抗原性、遺伝子座が進化し続けていることが判明した。それによって、以前より広範囲の鳥類とネコ科の動物にも感染するようになった。病原性も強力になり、実験用のマウスとフェレットに全身症状を引き起こした。さらに環境に対する安定性も増加している。 2007年8月22日、バリ島でのトリインフルエンザによる2人目の犠牲者として、28歳のニワトリ業者のインドネシア人が入院の4日後に死亡した。インドネシアにおける犠牲者は84人となった。地元の研究所の検査により、H5N1の陽性反応が出た 。 2007年9月29日、H5N1は妊婦の胎盤を通過して胎児に感染する可能性があることが判明した。さらに、ウイルスが肺だけでなく消化管、脳、肝臓、血球など全身に影響を与えることもわかった。
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