仕組み・特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/12 03:03 UTC 版)
「インシデント・コマンド・システム」の記事における「仕組み・特徴」の解説
5つの基本機能(ファンクション)として、指揮 (Command)、実行 (Operations)、計画情報 (Planning)、後方支援 (Logistics)、財務・総務 (Finance/Administration) が明確に定義され、必要な機能に必要な資源(人や物)をケース・バイ・ケースで割り当てる。1人の監督者が管理できる人数を5人(3〜7人までは状況によっては可能)とする監督限界 (Span of Control) を定め、普段とは異なる臨時の組織(一種のプロジェクトチーム)を現場にボトムアップ方式で立ちあげる。現場指揮官 (Incident Commander) はいかなる場合でも必要となるが、それ以外の組織は必要に応じて後付けにする。例えば、最初は現場指揮官と2人の部下が災害現場に駆けつけて対応していたところ、増員が必要になって現場指揮官が増員を要求し、10人が到着したとする。この時点で現場指揮官1人の監督限界を超えるので、6人(内1人を班長)✕ 2班に分けなければならない。そして現場指揮官は2人の班長を監督下に置く。そうすることで要員管理をスムーズにし、正確なコミュニケーションと円滑な命令系統を確立することができる。 組織の構築方法や名称、計画書の様式、通信方法などが全て標準化され、関係者の間で共有されている。 なお、 米国ではあらゆる現場対応の意思決定者は現場指揮官である。上位組織(州政府・連邦政府など)は現場指揮官からの要請に応じて支援する。 現場指揮官の権限の移譲についても、柔軟に対応するべくシステムに組み込まれている。一般的には、現場指揮官は地域防災計画や各事業所などにおけるマニュアルで事前に定められている。しかし、各現場で最も適任な(能力・資格・権限など)人材にその権限を速やかに委譲すべきとされている。なお、権限の移譲は、原則として“フェイス・トゥ・フェイス”(対面)で行い、組織内外に周知される。
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