人事案に対する評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 23:56 UTC 版)
2007年度末ころから、日本銀行総裁候補や副総裁候補として名前が度々挙がっており、民主党幹事長の鳩山由紀夫は渡辺の名が挙がった際に「財務官の方が世界が広い。国際金融に詳しいことは間違いない。財務省(出身)だからすべてだめと言っているわけではない」と評し、容認する姿勢を見せていた。内閣総理大臣の福田康夫も、渡辺の能力、経験、人物が副総裁に相応しいと語っており、ねじれ国会の下で日銀正副総裁が欠ける異常事態の中で2008年4月7日、内閣から衆議院、参議院に対し、日本銀行副総裁候補として提示された。渡辺副総裁案は日銀出身と財務省出身が交互に総裁職を務めるたすきがけ人事などの慣行的人事を崩すという一方で、財務官僚の中で過去2回提示された財政寄りとされた武藤敏郎や田波耕治と異なり金融寄りの渡辺博史ということに参議院野党にアピールをする形で日本銀行政策委員会のメンバーに財務省出身の人間を入れることを目的とした妥協案でもあった。 この人事案に対し、鳩山は「(財務省から日銀への)天下りとは考えない」と明言した。武藤や田波の総裁就任に強く反対した民主党同意人事検討小委員長の仙谷由人も、渡辺の副総裁就任について「財務省出身だから即不同意という機械的な話はあり得ない」として同意を示唆した。民主党副代表の前原誠司も「渡辺さんは立派な方。私はいいと思う」と発言しており、民主党では「容認論が大勢となりつつあった」とされる。 渡辺の人事案と同時に、日本銀行総裁代行・副総裁の白川方明を総裁候補とする人事案も提示されており、白川では「元財務事務次官の武藤(敏郎)前副総裁が政官界に太いパイプを持っていたのに比べて心もとない」との懸念があったが、ニッセイ基礎研究所のシニアエコノミストらは、国際金融に携わった渡辺と白川との組み合わせなら「うまくバランスがとれる」と評し、「渡辺氏のネットワークと交渉能力がフルに生きるのでは」と指摘している。
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