京都ハート研究(KHS,京都府立医科大学)
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日本人の冠動脈疾患・脳血管障害・末梢動脈閉塞性疾患・1つ以上の心血管リスク因子を有する患者3,031例(31施設)を対象に、現行治療+バルサルタン群(V群。漸増投与。ARB/ACE阻害薬を除く降圧療法追加可)と非ARB群(S群。降圧薬の増量可、ARB/ACE阻害薬を除く降圧療法の追加可)に振り分け、PROBE法にて3.27年(中央値)追跡調査した。主要評価項目は心血管イベント、脳血管イベント、その他の血管イベント等の新規発症または悪化であった。 血圧の推移は(ベースライン時→試験終了時)、V群:157/88→133/76mmHg、S群:157/88mmHg→ 133/76mmHgと両群に違いは見られなかったが、主要評価項目はV群:83例(5.5%)、S群:155例(10.2%):HR 0.55;95%CI 0.42~0.72,p=0.00001でV群で有意に低下した。主要評価項目の内、両群で有意差が付いた項目は脳卒中/一過性脳虚血発作(25例 vs 46例:HR 0.55;95%CI 0.34~0.89,p=0.01488),狭心症(22例 vs 44例:HR 0.51;95%CI 0.31-0.86,p=0.01058)であり、急性心筋梗塞、心不全、解離性大動脈瘤、下肢動脈閉塞、透析への移行または血漿Cr濃度の倍増の他、全死亡、心血管死では差は付かなかった。
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京都ハート研究
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JHSと同時に、KHSについても同様の疑念が提示された。京都府立医科大学の調査の結果、バルサルタンに効果が出るように解析用データセット、特に複合イベント発生数、一部血圧値についてデータ操作がなされていた事、カルテ調査結果を用いた解析からバルサルタン論文の結論が誤っている可能性が高い事等が明らかにされた。京都府立医科大学附属病院から登録された223症例について調査しただけでも、主要評価項目に関して 有→無 の改竄が10例、無→有 の改竄が24例で、V群のイベントが5例減少、S群のイベントが19例増加していた。改竄前のデータを用いて再解析した処、有意差は認められなくなった。
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