井上嘉浩の新証言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 08:02 UTC 版)
「公証人役場事務長逮捕監禁致死事件」の記事における「井上嘉浩の新証言」の解説
目黒公証役場事務長の死亡については、誘拐罪と殺人罪ではなく逮捕監禁致死罪と死体損壊罪で立件されているが、事件の中心人物の1人である井上嘉浩が、2011年夏に事務長の長男に関係者を介して手紙を出し、これまで事務長の死因を麻酔薬の副作用と述べていたがそれは事実ではなく、医師(当時)の共犯者が故意に殺害した可能性がある、との内容を告げた。しかし、捜査機関は特に対応しなかった。その後、2012年に逃走中の平田信、高橋克也が逮捕されたため、本件に対する捜査が再開された。 井上の新主張は「1995年3月1日午前11時頃に中川が井田を呼ぶために電話に向かい目を離した間に死亡したとされているが、事務長が死亡した当日は大雪であり、井田が上九に到着した時刻から考えるとそれは不可能で、中川の証言に虚偽がある」という主張である。しかし、当の中川智正ら医師や他の共犯者は軒並み井上の新主張を否定。井上が事件発生から16年以上経って自らの過去の証言や供述を覆したこともあり、捜査機関の認定は、麻酔薬の副作用による死亡ということで変わらなかった。新たに逮捕された共犯者の裁判員裁判の判決でも、同様の認定となった。 井上が新主張を行った理由については、事務長の長男が「これまでの説明とあまりにも違い、すべてを信じることはできない。再審のための証言ではないかと受け止めた」と語っているとおり、医師の共犯者が井上と無関係に被害者を殺害したのであれば被害者に対する井上の責任は軽くなるため、再審請求が目的だったのではないかと指摘する報道も存在する。 オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律における給付金支給対象事件に指定されている。
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