二、連邦共和国の施行状況に則した基本的考慮事項
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「ヒンメロート覚書」の記事における「二、連邦共和国の施行状況に則した基本的考慮事項」の解説
第二章では最初、ソ連の脅威について分析される。専門家集団はソ連軍について西ヨーロッパ攻撃に備えて追加の準備をすることなく、いつでも侵攻が可能と見られた。ソ連の目標はナルヴィクからピレネー山脈まで至る大西洋岸一帯まで迅速に到達すると目され、このような攻撃が実施されるとソ連はその後どのような反応を示すかは予測不能であった。 西側諸国の防衛態勢は不完全であった。それは西ヨーロッパ、ドイツおよびアメリカ合衆国が一体となった防衛計画を立案するにあたり各国の分担を明らかにする必要があった。ヨーロッパは出来る限り東方以遠で防衛されなければならず、防衛の意思は迅速に生じせしめる必要があった。これらは3箇所の防衛作戦に主要な焦点があてられ、地中海への侵入を防ぐためダーダネルス海峡の維持に注力し、西側軍が黒海への進出を可能とすること。タリアメント川・アルプス山脈・南部ドイツ域の山岳地帯からの側背侵攻阻止を西ドイツが担任すること。シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州・デンマーク・南スカンディナヴィアの右翼から侵攻しようとするソ連軍をできる限りバルト海狭隘部にて阻止することが盛り込まれた。 ライン川以東でのソ連軍侵攻阻止は地勢的に困難であったため、できる限り東部で攻勢的性格を持つ機動防御を確立することが求められ、防衛戦闘後は可能な限り東ドイツ内に展開するとされた。これは、国境周辺の防備と障害の強化支援が必要と認められた。 実際にはソ連軍は西側侵攻のための十分な先遣隊無しには更なる西方への侵攻が困難であると見られた。このような観測に基づく臨戦態勢であったため西側は増援到着までの時間が与えられた。ドイツの意図からソ連抑止という重要な役割を担うことになる。
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