事業撤退が表明された鉄道路線の運行支援
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 02:21 UTC 版)
「岡山電気軌道」の記事における「事業撤退が表明された鉄道路線の運行支援」の解説
2003年3月に鉄道事業法が改正されて鉄道事業への参入・撤退・譲渡の規制が緩和されて以来、岡山電気軌道は、運行事業者が運営から撤退(廃止)することが表明された路線の運行支援に積極的に手を挙げている。 以下のいずれも沿線自治体が施設を保有する上下分離方式による公設民営が検討された路線で、岡山電気軌道が直接運営するのではなく、別途運営会社を設立し、岡山電気軌道は経営・運行ノウハウの提供を行う形での支援を表明している。 名古屋鉄道 岐阜市内線・揖斐線・美濃町線・田神線 最初に、2004年に名古屋鉄道(名鉄)が撤退を表明した上記600V線区の運行支援を申し出た。これを受け岐阜市は名鉄と資産譲渡交渉に臨んだが金額が折り合わず、また岐阜市長が財政難などを理由に存続断念を発表したことで支援は実現しなかった。4路線は2005年4月1日に全線廃止された。 日立電鉄 日立電鉄線 2004年に廃止が表明されたことで同線沿線都市の常陸太田市が後継事業者を募集。これに応募を検討したが、施設・事業の全面譲渡を考えていた常陸太田市とは条件が合わず断念。日立電鉄線は2005年4月1日に廃止された。 なお茨城県では、鹿島鉄道(鉾田線)や茨城交通(湊線)の廃止発表後に引き継ぎの支援協力先として、この時点で次項の貴志川線の運営を南海から引き継いだ実績を作った岡電の名前が挙がったことがある(前者は2007年3月限りで廃止、後者は2008年4月よりひたちなか市と茨交合弁の「ひたちなか海浜鉄道」に移管)。 南海電気鉄道 貴志川線 続いて、利用者の伸び悩みから2004年8月に南海電気鉄道が2005年9月末を以って撤退することを表明し、鉄道事業廃止届出書が提出された貴志川線について、和歌山市と貴志川町(現・紀の川市)が公募していた事業引き継ぎ先に応募。2005年4月28日、9つの企業・個人の中から岡山電気軌道が選ばれ、事業を引き継ぐことが発表された。事業参入・撤退・譲渡の規制緩和以来、公募による事業引き継ぎは初めてのことである。 運行開始は2006年4月1日からと計画された。しかしそれでは一旦廃止されてしまい、改めて鉄道事業許可を受ける必要が生じる。そのため、和歌山市などが南海電気鉄道に撤退期限の延長を求め、南海電気鉄道がこれに応じたため、岡山電気軌道が和歌山市に2005年6月27日に設立した新会社「和歌山電鐵」のもとで、2006年4月1日から運行が開始されている。 北海道ちほく高原鉄道 ふるさと銀河線 経営が苦しく廃線の方針を打ち出した第三セクター鉄道の北海道ちほく高原鉄道に対し、廃線に反対する住民団体の求めに応じる形で2005年に経営引き受け等の協力を申し入れた。また、地元紙に申入書の内容が意見広告として掲載された。しかし、地元自治体の負担を協力条件の一つにしていたため、北海道ちほく高原鉄道の株主でもある地元自治体から賛意は得られず2006年4月21日に廃線となった。
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