事実上の亡命
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 03:35 UTC 版)
「フアン・カルロス1世 (スペイン王)」の記事における「事実上の亡命」の解説
サウジアラビアの高速鉄道の建設をめぐり、2012年にスペインの鉄道建設会社との取引仲介に対する見返りとして同国国王アブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズ(当時)の代理人より資金を得ていたとされており、在位時にパナマで設立された財団が持つスイスの銀行口座に預けられた後に一部が愛人に送金されたり、また財団が自家用ジェットのフライト費用数百万ユーロを支払うなど、資金洗浄に関与していた疑惑が取り沙汰されている。 一連の疑惑を受け、2020年3月に息子のフェリペ6世は父フアン・カルロスに対する年間手当19万4000ユーロ(約2300万円)の廃止と、相続財産を放棄することを発表し、距離を置く姿勢を示したものの、フェリペ6世自身もまたこの財団の受益者であったとされている(本人は否定)。同年6月、スペイン最高裁は捜査を開始することを発表したが、在位時の免責特権があるため譲位後の疑惑に限定されたものの、疑惑にメスが入れられることとなった。 2020年8月3日、フアン・カルロスがスペイン国外に出国する意向であることが発表された。スペインの報道機関は、フアン・カルロスがドミニカ共和国へ出国したと報じたものの、当のドミニカ共和国入管当局はフアン・カルロスが入国した記録はないと否定した。このほか、逃亡先としてポルトガルやアラブ首長国連邦を構成するアブダビなど諸説が報じられ、8月17日にスペイン王室は前国王の出国先がアラブ首長国連邦であると正式に発表した。2022年3月、検察当局は証拠不十分や時効などを理由にフアン・カルロスを訴追せず、捜査を終了した。
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