予測符号化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/04 00:53 UTC 版)
差分PCM の構成図での「Z-1」は1つ前のサンプル値を現在の信号の予測値として出力する「予測器」の機能を持つ。これを一般的な予測器に置き換えたものが予測符号化(predictive coding)である。何らかのアルゴリズムで過去のサンプル値から現在の値を予測し、実際の値との差分のみを符号化する。予測値の計算方法としては、関係する複数のサンプル値に何らかの係数を掛けて足し合わせたものを予測値とする線形予測がよく用いられる。 例えば、静止画での特定の画素の明るさは直上や直前の隣接する画素の明るさと高い相関があり、その平均値などで予測することができる。動画の場合であれば、前後のフレームの同じ位置の画素やそれに隣接する画素から予測値を求めることができる。 JPEGの追加規格である JPEG-Spatial 方式や Lossless JPEG 方式では、予測符号化とエントロピー符号化とを組み合わせ情報の圧縮を行っている。
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予測符号化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 14:26 UTC 版)
LPCはより大きな枠組みである予測符号化(predictive coding)の一種である。予測符号化とは「予測を利用した効率の良い符号化」の総称である。 予測符号化では予測器(predictor)が過去系列に基づいて現在の値を推定する。予測器が完全でない限り、実際値-推定値間には誤差/残差が発生する。逆にいえば、残差がわかれば正確な実際値がわかる。すなわち過去系列・推定器・残差が手元にあれば、算出された推定値に残差を足しこむことで実際値を復号できる。 符号化: e t = x t − p r e d i c t o r ( x < t | θ ) {\displaystyle e_{t}=x_{t}-predictor(x_{<t}|\theta )} 復号: x ^ t = p r e d i c t o r ( x ^ < t | θ ) + e t {\displaystyle {\hat {x}}_{t}=predictor({\hat {x}}_{<t}|\theta )+e_{t}} このように、予測により信号を残差へ符号化し、予測により残差を信号へ復号する方式が予測符号化である。変動量の大きい信号を予測符号化により小さい残差系列へ変換、この残差系列にさらなる符号化/圧縮をかけて伝達すれば効率の良い信号伝達が可能になる。 LPCは予測符号化のうち、サンプル間の関係を線形と仮定したもの、すなわち p r e d i c t o r ( x < t | θ ) = ∑ k = 1 N θ k x t − k {\displaystyle predictor(x_{<t}|\theta )=\sum _{k=1}^{N}\theta _{k}x_{t-k}} としたものである。
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