予備尋問とは? わかりやすく解説

予備尋問

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/13 02:51 UTC 版)

予備尋問(よびじんもん、: Voir dire)とは、英米法の刑事事件および民事事件の陪審手続において、陪審員候補者や証人の適格性を確認するために行われる尋問[1][2][3]。"voir dire"はアングロ=フランス語を語源とする[4]

趣旨

予備尋問では陪審員候補者の偏見あるいは当事者との関係性の有無をあらかじめ確認するため、裁判官、検察官(刑事事件の場合)、被告・被告人の訴訟代理人(弁護人)が尋問を行い忌避を申し出る[2][5]

予備尋問による陪審員候補者の忌避には理由付忌避(challenge for cause)と専断的忌避(peremptory challenge)がある[2]。理由付忌避は理由を示して行う忌避で事実審裁判官が理由が相当と判断すれば陪審員候補者が排除される[2]。一方の専断的忌避は理由を示す必要のない忌避で陪審員候補者は自動的に排除される[2]。なお、予備尋問は証人に対しても行われる[5]

出典

  1. ^ 小山貞夫『英米法律語辞典』研究社、2011年、1191頁、ISBN 9784767491073
  2. ^ a b c d e 松田正照「陪審員候補者に対する専断的忌避権行使の制限根拠 : 「共同体を代表する陪審」とBatson判決の射程拡大」『東洋法学』第59巻第1号、東洋大学法学会、2015年7月、120-85頁、ISSN 0564-0245NAID 1200056526012023年4月13日閲覧 
  3. ^ Edmonson v. Leesville Concrete Co. (89-7743), 500 U.S. 614 (1991) Legal Information Institute - Cornell University
  4. ^ voir dire Merriam Webster
  5. ^ a b 『英米法辞典』東京大学出版会、1991年、899頁

関連項目


予備尋問

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 07:41 UTC 版)

陪審員の選任」の記事における「予備尋問」の解説

「予備尋問」も参照 選ばれ陪審員は、通常尋問の手続にさらされる。これは、検察側(民事事件では原告側)と被告人側(被告側)が陪審員対し異議述べることができる手続である。コモン・ローの国では、これは予備尋問(ヴワー・ディア:voir dire)と呼ばれている。予備尋問には、陪審員候補者全体聞かれ挙手などの形で答え一般的な質問と、個々陪審員候補者聞かれ言葉答えさせる質問両方がある。双方代理人検察官弁護士)が陪審員候補者対し質問できる法域もあるが、裁判官が予備尋問を行う法域もある。 どのような方法で、またどの範囲陪審員候補者拒絶できるかは、国によって異なる。 イングランドでは、異議認められるためには、被告人がその陪審員候補者知っているというような、十分な根拠なければならない一方オーストラリアカナダフランスニュージーランド北アイルランドアイルランドアメリカ合衆国などでは、被告人検察側に、決まった数で無条件の「理由なし忌避」(peremptory challenge) が認められている。ある陪審員排除するのに、何の理由付け必要ないというものである一般的に弁護人被害者同じよう職業生活環境にあり、そのために被害者側に感情移入しやすい陪審員排除し一方検察官被告人類似点のありそうな陪審員排除する。ただし、アメリカでは検察側がマイノリティ構成員排除し、これに被告人側が異議述べたときは、バトソン対ケンタッキー州事件判決により、検察側は排除人種中立的な理由であることを説明しなければならない(後に判例により性中立的な理由説明についても同様とされた。)。 代理人裁判官に「理由付き忌避」(challenge for cause) を申し立てることができる法域もある。これは、陪審員生育環境信条により、偏見があり、陪審職務には不適当であるという主張である。アメリカでは(おそらく他の国でも)、これを利用してわざと(例え法律概念知識があることを示すなどして)陪審義務免れようとする市民もいることが知られている。

※この「予備尋問」の解説は、「陪審員の選任」の解説の一部です。
「予備尋問」を含む「陪審員の選任」の記事については、「陪審員の選任」の概要を参照ください。

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