乗用車用ガソリンエンジンの実際の空燃比とは? わかりやすく解説

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乗用車用ガソリンエンジンの実際の空燃比

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 05:50 UTC 版)

空燃比」の記事における「乗用車用ガソリンエンジンの実際の空燃比」の解説

今日ガソリンエンジンでは排気ガス浄化のために三元触媒使われており、これが有効に機能するためにはストイキ近傍燃焼させることが必要である。 しかし、常にストイキ燃焼しているわけではなく燃費に有利で有害排出物質が少なくなるリーン希薄傾向経済空燃比と、出力稼ぎやすく発進時加速時使われるリッチ(過濃)傾向出力空燃比がある。負荷状況によって空燃比使い分けられており、常にその値は変化している。 さらに、高回転化したエンジンでは、熱負荷軽減冷却)のためリッチ傾向運転されることが多い。 ストイキのまま回転数上昇させると、たとえ点火時期早めて排気バルブの開弁後かなりの時間にわたり燃焼終了せず、アフターファイアー生ずる。 高出力時には発生する熱量そのもの膨大となり、シリンダーシリンダーヘッド内壁面や、バルブシートその他から放熱だけでは間に合わなくなる。結果として、主に排気バルブピストンの溶損等を生じる。 高出力時に排気温度が高いため三元触媒過熱し、溶損する可能性がある。 これらを防ぐため、空燃比をかなりリッチ傾向設定とする。これにより燃焼速度高くなり、アフターファイアー緩和されまた、燃焼しきれないガソリン気化潜熱蒸発熱)により、バルブ周りシリンダ内が冷却される排気と共に排熱される)。しかし、この状態での運転は、燃費悪化するのはもとより三元触媒働かないなどの弊害もある。 このため、高負荷・高回転連続運転される比率の高い欧州車等の一部乗用車では燃費改善のため、 金属ナトリウム封入中空排気バルブ採用バルブ溶損の防止シリンダー壁面シリンダーヘッド材料を、高い熱伝導率を持つアルミ等へ変更シリンダ壁面放熱性の向上) 等を行いガソリン過剰を少しでも改善させる方策が採られているが、技術上の問題コスト観点から、多く乗用車普及するまでには至っていない。 さらに、冷間始動時に理論空燃比使われることはない。冷間時には、混合気中の気化促進されず、燃料吸気ポート壁面吸気バルブ付着してしまい、結果として燃焼開始するための燃料十分に燃焼室まで達しないためである。この付着分を考慮したリッチな(濃い)混合比設定を行う。エンジン始動後、冷却水温の温度上昇に応じて、この冷間始動時の燃料増量減少するように制御される

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