久井・矢野の岩海
名称: | 久井・矢野の岩海 |
ふりがな: | くい・やののがんかい |
種別: | 天然記念物 |
種別2: | |
都道府県: | 広島県 |
市区町村: | 三原市久井町、府中市上下町 |
管理団体: | 三原市(昭42・2・17),府中市(昭42・2・17) |
指定年月日: | 1964.06.27(昭和39.06.27) |
指定基準: | 地9 |
特別指定年月日: | |
追加指定年月日: | |
解説文: | 久井の岩海は、広島県御調郡久井町の東北部宇根山(標高六九八・九メートル)の山頂から南東に続く山稜部の南西側山腹の谷間にあり、「ごうろ」と通称されている。直径一~七メートルの花崗岩の豆岩が、ゆるい傾斜の谷にそって帯状に累積している。「ぜにがめごうろ」(幅六五メートル、長さ五〇〇メートル)、「なかごうろ」(幅三五メートル、長さ四〇〇メートル)、「こごうろ」(幅三〇メートル、長さ一三〇メートル)、「おおごうろ」(幅九〇メートル、長さ三五〇メートル)の四か所から成る。 矢野の岩海は、国鉄■後矢野駅の西方約一・二キロメートルにあたる洞山の地域にあり、「ころもり岩」と通称される。北西に向ってゆるく流れる小渓谷に幅約五〇メートル、長さ七〇メートルにわたって花崗岩の巨岩が累積しており、その厚さは十数メートルに及び、巨岩は直径二~八メートル、その空隙の底は広い洞窟状をなし、コウモリが生息している。 両者は、いずれも花崗岩地帯におけるはげしい気温変化などのため、節理や割目に沿って基盤岩が剥離・解体し、さらに化学的風化を受け、風化物が流れ去った結果、巨岩礫が残留累積した、いわゆる岩海現象の代表的なものと認められ、気候による侵蝕作用を示すものとして学術上貴重と認められる。 S39-06-018久井・矢野の岩海(天然記念物).txt: [[岩海]がんかい]というのは、基盤岩が急激な気温変化等の影響を受けて大きく割れ、さらに長年月の風化を受けて積み重なり、広大な面積を占めているものであるが、久井ではこの現象が5か所にわたり、広範囲にみられる。上下町矢野では特に、巨大な岩が多く、その空隙は深く広く、コウモリが生息している。同種の既指定のものでは山口県下に吉部の[[大岩郷]おおいわごう]と万倉の大岩郷がある。 |
天然記念物: | 丹生川上中社のツルマンリョウ自生地 丹那断層 久々利のサクライソウ自生地 久井・矢野の岩海 久喜宮のキンメイチク 久津八幡神社の夫婦スギ 久米の五枝のマツ |
久井・矢野の岩海
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/07 06:34 UTC 版)
久井・矢野の岩海(くい・やののがんかい)は、「久井の岩海」と「矢野の岩海」の2つの岩海帯の総称名。1964年に国の天然記念物に指定された。
双方の岩海の距離は直線距離で10km以上離れている。
久井の岩海

広島県三原市久井町の宇根山中腹にある(北緯34度32分22.6秒 東経133度4分49.5秒 / 北緯34.539611度 東経133.080417度)、花崗閃緑岩が節理作用などで風化分解され、それが累積分布してできた帯状の地帯。おおごうろ・なかごうろ・こごうろ・ゼニガメごうろなどの数種類の岩礫の帯状分布が見られる。中でもおおごうろは長さ350m、幅90mの範囲に分布しており、その深さも10mにも及ぶ。また場所によるが、地底部を流れる水流音を聴ける場所もある。
2007年、日本の地質百選に選定された。
矢野の岩海

広島県府中市上下町矢野にある(北緯34度39分47秒 東経133度6分42.5秒 / 北緯34.66306度 東経133.111806度)。久井のものとほぼ同様の生成過程ではあるが、範囲は小規模で、ひとつひとつの巨大な岩が渓谷を埋めたような形状になっており、その下には洞窟状の空洞がある点が異なる。
関連項目
外部リンク
- 広島県の文化財 - 久井・矢野の岩海(広島県)
- 久井・矢野の岩海 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- 久井・矢野の岩海のページへのリンク