ちゅう‐のう〔‐ナウ〕【中脳】
中脳
中脳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/30 19:58 UTC 版)
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名称 | |
日本語 | 中脳 |
英語 | midbrain |
ラテン語 | mesencephalon |
略号 | MBr, MB |
関連構造 | |
上位構造 | 脳幹 |
構成要素 | 被蓋、上丘、下丘、黒質、赤核、大脳脚 |
画像 | |
アナトモグラフィー | 三次元CG |
Digital Anatomist | 内側 下方 下方 冠状断 大脳鎌 小脳テント 矢状断 |
関連情報 | |
Brede Database | 階層関係、座標情報 |
NeuroNames | 関連情報一覧 |
NIF | 総合検索 |
MeSH | Mesencephalon |
グレイの解剖学 | 書籍中の説明(英語) |
中脳(ちゅうのう、英: midbrain, mesencephalon)は、脳の一部。狭義の脳幹(下位脳幹)のうち、もっとも上の部分であって、さらに上には第三脳室、下には橋、両外側には間脳がある。なめらかな動きを可能にする錐体外路性運動系の重要な中継所を含むほか、対光反射、視聴覚の中継所、眼球運動反射、姿勢反射(立ち直り反射)、γ運動ニューロン活動抑制、歩行リズムの中枢をも含む。
解剖
中脳の前面は大脳脚と呼ばれる一対の隆起である。大脳脚は橋の底部に続き、錐体路をなす線維が入っている。大脳脚の付け根に当たる部分は黒質と呼ばれるメラニンの多い層になっている。後面には四丘体と呼ばれる2対の隆起があり、それらのうち上の1対は上丘、下の1対は下丘と呼ばれる。上丘の中には数層の浅灰白層、下丘の中には下丘核と呼ばれる灰白質が入っている。四丘体のある部分を中脳蓋と呼ぶ。中脳蓋のすぐ前、中脳の内部のほぼ正中には中脳水道(シルビウス孔)と呼ばれる穴が開いている。中脳水道は神経管の内腔に由来し、上の第三脳室と下の第四脳室をつなぎ、脳脊髄液の通り道になっている。中脳水道の周りは中脳水道周囲灰白質(中心灰白質)に囲まれている。中脳水道周囲灰白質のすぐ前に、動眼神経核とエディンガー・ウェストファル核(動眼神経副核)がある。中脳蓋と黒質の間にある部分を被蓋と呼ぶ。なお、上で述べた意味での大脳脚(crus cerebri)と被蓋を合わせて大脳脚(pedunculus cerebri)と呼ぶことがある。被蓋には外側に内側毛帯があるほか、内側の下部には上小脳交叉(ウェルネキンク)、上部には赤核と呼ばれる鉄の多い核がある。橋との境目あたりには滑車神経核がある。
機能
上丘
上丘は、鳥類などでは視覚に重要な役割を果たしているが、ヒトでは視覚反射の中継所でしかない。視覚と関係するので視蓋とも呼ばれる。目に光が入ったときに瞳孔を収縮させる対光反射、見ている物が近づいたときにレンズを厚くしてピントを合わせる調節反射、それと同時に視線を内側に寄せる輻輳反射に関わる。
下丘
下丘は聴覚の重要な中継所である。耳から入った音の信号は蝸牛神経を通って蝸牛神経核で中継され、交叉した後外側毛帯となって下丘に入る。下丘から出た線維は下丘腕を通って内側膝状体へ送られ、中継された後聴放線を作って大脳皮質に送られる。
画像
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中脳の位置を様々な方向から見た動画。中脳を赤で、それ以外の部位を半透明にして示してある。(出典:Anatomography)
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下丘の高さでの中脳の断面。図の上が背側。Crusta:大脳脚、Subst. Nigra:黒質、Inferior colliculi:下丘、Central Grey matter:中心灰白質、Cerebral aqueduct:中脳水道、Nucleus of oculomotor nerve:動眼神経核、Medial lemniscus:内側毛帯
参考文献
- Werner Kahle、長島聖司・岩堀修明訳『分冊 解剖学アトラスIII 第5版』(文光堂、ISBN 4-8306-0026-8)
外部リンク
中脳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/04 15:57 UTC 版)
中脳は橋と前脳(間脳と終脳)の間に位置して長さはおよそ2.5cmである。両側の側頭葉(鉤、海馬)の間に存在し、大脳外表からは見えない。矢状断では中脳は中脳水道によって2つの部位に分かれて見える。中脳水道より背側の部分は上丘と下丘からなる部位であるが、鍋の蓋のようにみえることから中脳蓋(tectum)と呼ばれる。中脳水道より腹側の部分は鍋の胴体で蓋をされる部分であることから中脳被蓋(tegamentum)と呼ぶ。 。この中脳被蓋には黒質や腹側被蓋野といったドパミンの経路に重要な領域が含まれている。進行性核上性麻痺では中脳被蓋が萎縮する結果ハミングバードサインが出現する。中脳蓋、中脳被蓋、大脳脚の三部位に分けて概説する。八木下らの方法では正中矢状断像で中脳水道の腹側と背側の前後径を上丘と下丘の間の高さで計測して便宜上それを中脳被蓋と中脳視蓋の前後径とする。
※この「中脳」の解説は、「脳幹」の解説の一部です。
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