中脳動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:21 UTC 版)
中脳動物(英:mesencephalic animal、独:Mittelhirntier)は、間脳と中脳の間で脳幹を切断した動物をいう。中脳の上丘と下丘の間で切断すると除脳固縮(γ固縮 γ-rigidity、除脳硬直)の姿勢をとる。自発行動、体温調節機能は失われるが、ほとんどの反射は保たれ、体平衡、姿勢、運動機能、眼球運動、瞳孔反射は保持される。上丘前縁と乳頭体後縁を結ぶ線を切断した除脳ネコは四肢の筋緊張を適度に保持し、下丘腹側の楔状核に微小電気刺激を与えるとトレッドミル上で四足歩行が認められる。 上丘下丘間で切断した中脳動物は除脳固縮の姿勢をとるが、別の部位で切断した場合にはこの固縮が現れないこともある。脳幹においては脊髄運動ニューロンに対して促進系と抑制系があり下位中枢を一定のバランスを保持して制御するが、固縮の出現に有無があるのは除脳の程度によってこのバランスの状態に差があるためである。
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