中国での生産体制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 01:28 UTC 版)
中国の行政報告によると年度は不明ながら近年での採掘資源量は雲南省(5205トン、40%)、広西壮族自治区(4,086トン、31.4%)、内モンゴル自治区(1,067トン、8.2%)、青海省(1,015トン、7.8%)、広東省(910トン、7%)、その他地域(728トン、5.6%)、合計13,014トンという統計値がある。この資源は数百の零細工場によって亜鉛鉱石や鉛鉱石からインジウムの素原料が原始的な方法で取り出され、湖南省株洲工場、広東省招関工場、広西壮族自治区華錫工場、遼寧省蘆島工場、江蘇省南京工場という5大工場に集められて、高純度に精製された後、国内や日本などの海外に供給されている。 2003年からのインジウムの需要急増に対応して湖南省と広東省の亜鉛工場が増産したが、カドミウム公害を起こしたため、広東省では工場が、湖南省ではいくつかの鉱山が2004年から2005年にかけて閉鎖された。雲南省と広西壮族自治区でも採掘現場での環境破壊は深刻だが、山岳地帯であり少数民族地域でもあるため放置されている。 中国政府もインジウムの需要急増に対応して生産を拡大したいが、湖南省と広東省だけに限らず環境問題が解決できないため、2008年時点も果たせないでいる。中国国内産業が工業製品の生産量を増すにつれてインジウムを輸出に回すだけの余分が無くなって来たため、まず2005年から輸出に与えられていた還付税が減額され、2006年9月14日には完全に撤廃された。インジウムの海外からの委託加工も禁止された。 日本では2006年まで札幌の鉱山で世界最大のインジウム生産量を誇っていたが、環境問題とはならなかった。中国では今、環境問題のために生産量に制約が生じており、日本への供給が減ってきている。中国と日本の利害は一致するように見えるが良いニュースは聞こえて来ない。
※この「中国での生産体制」の解説は、「インジウム」の解説の一部です。
「中国での生産体制」を含む「インジウム」の記事については、「インジウム」の概要を参照ください。
- 中国での生産体制のページへのリンク