下五島大宝郷の砂打ち
名称: | 下五島大宝郷の砂打ち |
ふりがな: | しもごとうだいほうごうのすなうち |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | 大宝郷会 |
選択年月日: | 1979.12.07(昭和54.12.07) |
都道府県(列記): | 長崎県 |
市区町村(列記): | 五島市大宝郷 |
代表都道府県: | 長崎県 |
備考: | 所在地が同一都道府県内のもの(このデータは種別1から移行しています) |
解説文: | この行事は大宝郷の氏神言代主【ことしろぬし】神社の秋祭(権現祭)に行なわれる。祭の二日前に郷長(区長)から祭当番の村組に連絡があると、これをうけて当番によって砂打ち用の道具類が準備され、宵祭の晩には神楽が奉納される。砂打ち行事はムラマワリと呼ばれる一行によってなされる。行列は猿田彦を先頭に獅子役、幟持ち、御幣持ち、神主、巫女、女形、囃子方、稲かけ、かけ魚持ち、くわ(鍬を持つ役)、きね(杵を担ぐ役)、サンドーラ(桟俵をかぶる役)で構成され、その順できまりの道順に従い郷内を一巡する。ときおり笛・太鼓の囃子にあわせて猿田彦と獅子役によって道神楽が舞われる。また郷境の三か所では円陣をつくり、鍬持ちが土を掘りおこす所作、サンドーラが種蒔の所作、鍬持ちが土をかぶせる所作をなし、杵担ぎがその上を搗き固める所作を各一回ずつ行なう。そのほかサンドーラが道中時おり見物人を追いかけ、あるいは傍の家々の戸障子めがけて砂を打ちつける。 砂打ち行事は、古来ホンケン(本家筋)と呼ばれる家々が交替制で担当し、現在は村組が二十五軒ずつ四組で四年に一度担当する慣わしとなっている。また、女形は両親健在の者が当番の組内から選ばれてその役につき、タスキ掛けで帯を後に垂らす着装をなし、頭上に桶・ソウケのほか柄杓を載せる慣わしである。砂打ちは種蒔を、杵で搗くのは収穫した穀物を搗くとか餅搗きの意味とされ、見物人や戸障子に砂を打ちつけるのは災厄を払い、疫病退散のためだと伝えられている。 この行事は農耕作業の一部が模擬的に演ぜられるとともに、郷内の人々の疫病退散の意がこめられているなど、各種の習俗が習合していて、古風な民俗の一面を伝えるものとして注目される。 |
祭礼(信仰): | お枡廻しの習俗 チャグチャグ馬コ 上田市八日堂の蘇民将来符頒布習俗 下五島大宝郷の砂打ち 久井稲生神社の御当 久渡寺のオシラ講の習俗 五所駒滝神社の祭事 |
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