ロー・ポジションとは? わかりやすく解説

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ロー・ポジション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 14:34 UTC 版)

小津安二郎」の記事における「ロー・ポジション」の解説

小津のよく知られ映像手法として、カメラを低い位置据えて撮影する「ロー・ポジション」が挙げられる。ロー・ポジションの意味については、「畳に座ったときの目の高さ」「子供から見た視線」「客席から舞台見上げ視点」など諸説ある。小津自身日本間構図安定感求めた結果、ロー・ポジションを採用した述べている。厚田雄春は、標準カメラ位置日本間撮影すると、畳のへりが目について映像締まりにくくなるため、それが目立たないようロー・ポジションを用いた述べている。小津初めカメラ位置低くしたのは『肉体美』(1928年)で、その理由セット撮影で床の上電気コードだらけになり、いちいち片付けたり、映らないようにしたりする手間を省こうとしたためで、床が映らないようカメラ位置低くするとその構図手応え感じ、それからはカメラ位置が段々低くなったという。ロー・ポジションで撮影するときは、「お釜」と名付けた特製の低い三脚使用し障子などの縦の直線が歪むのを避けるために50ミリレンズを使用した小津が「ロー・アングル使用したと言われることもあるが、ロー・アングルカメラ位置ではなくアングルについて定義する言葉であり、その言葉曖昧な使用そのまま普及したのである映画批評家デヴィッド・ボードウェル英語版)は、「小津カメラ低く見えるのはそのアングルのためではなく、その位置のためである」と指摘している。ロー・アングルカメラアングル仰角にして、低い視点から見上げるようにして撮影することを意味するが、小津作品ではカメラアングル数度だけ上に傾けることはあっても、ほとんど平を保っている。また、カメラ位置特定の高さに固定したわけではなく撮影対象合わせて高さを変え、その高さに関わらず平のアングル構えた例えば、日本間ではちゃぶ台の少し上の高さにカメラ置いたが、テーブル事務シーンではカメラをその高さに上げている。ボードウェルは「小津カメラ位置絶対的なものではなく相対的なものであり、常に撮影する対象よりも低いが、対象の高さとの関係で変化する」と指摘している。

※この「ロー・ポジション」の解説は、「小津安二郎」の解説の一部です。
「ロー・ポジション」を含む「小津安二郎」の記事については、「小津安二郎」の概要を参照ください。

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