ロードマップ作成、活用の流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/25 06:06 UTC 版)
「ロードマップ」の記事における「ロードマップ作成、活用の流れ」の解説
ロードマップ手法の活用は、大まかに以下の3段階から構成されている。但し、小規模なロードマップでは(2),(3)の段階が平行して行われる(場合によっては1,2,3全て)ことがある。 問題点と目的の明確化 ロードマップ本体の作成 具体的な行動計画への落とし込み 1の段階では、ロードマップに掲げる目標の選定を行うにあたり、現状の問題点を分析、整理し、その中から特に具体的な達成手段を優先的に検討せねばならないもの/したいものを抽出する。そのうえで、どのような成果を目指すのかを明らかにする。 2の段階では、ロードマップに掲げる目標をより具体的な小目標に落とし込み、重要な分岐点となる中間到達点などを把握するむめの作業を行う。この段階においては概して、 計画成否の分岐点となる重要なイベントの把握。 ロードマップ全体の目標を小目標に分割する。 必要に応じて目標達成のための複数のルートを計画し、リスク回避を行う(電子線描画と液浸露光等、複数の手段を競争させるなど)。 目標,小目標達成にかかわる具体案を掲げる。 具体案それぞれのメリットとデメリットを分析する。 考え得る様々な対応案それぞれの期間、費用、人員等の見通しの分析。 大まかな達成過程を時系列で示す。 等が要求される。 ロードマップは、概して、戦略レベルのビジョンを示す、つまり、プロジェクトマネジメント上、目標に向かってプロジェクトメンバーが共有する大まかなスケジュールの全体像を示すために用いられることが多いため、2の段階、つまり小目標に落とし込むところまでしか行わない場合が多い。たとえば半導体素子の微細化など、極めて多くの機関がかかわる目標を取り扱う場合には、ロードマップ全体の目標を小目標に分割するあるいは、数値化した上で、大まかな困難点などを挙げる等にとどまり、小目標の達成のための具体的な落とし込みは明確化は行わない場合もある。 「より上位にあるロードマップにおける小目標の一つあるいは複数を達成すること」を目標とする組織では、「より上位にあるロードマップにおける小目標の一つあるいは複数」を最終到達目標とした、下位のロードマップを作成することがある。概してトップダウンで作成された計画においては、運用上の問題がおろそかになっている場合が多いため、3の段階では特に運用上の問題に焦点を合わせる。この段階では、作成されたロードマップを関係する要員などが評価した上で、特に自分がかかわる小目標に関して、その実現のために必要な具体的な行動計画を作成し、必要に応じてロードマップの修正や、元のロードマップの下位にあたるロードマップを作成する。 たとえばインテル社の開発目標を記載したインテルロードマップは、国際半導体ロードマップの下位に属するロードマップである。 さらに、実際の行動計画に基づいた作業を行い、達成度合いを評価する。これらの状況を全体的に評価したのち、元のロードマップ自体も、必要に応じて見直され、修正が行われる。
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