ロードの詩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 16:15 UTC 版)
1960年代にはロードの詩は詩集に含まれ発表された。この時期ロードは公民権運動、反戦運動、フェミニズム運動で活発に関わっていた。 1968年、ロードは初の単独詩集となるThe First Citiesを発表した。ビート詩人でもあるダイアン・ディ・プリマ(英語版)が編集に関わったこの詩集は、静かで内省的であると評され、「ロードは黒い旗を振りかざすことこそしないものの、彼女のブラックネスは根幹に潜在している」との評価を得た。 1970年には二冊目の詩集Cables to Rageを発表。ミシシッピ州のトゥーガルー・カレッジでレジデンシーを務めた時期に書かれた詩を含み、愛、裏切り、出産、そして子育ての複雑さをテーマとした。中でも"Martha"では初めて公で同性愛に言及した。 1973年には全米図書賞にもノミネートされたFrom a Land Where Other People Liveを発表し、自分の中にある複数のアイデンティティの折り合いと社会問題に対する強い怒りに深く向き合う。また、黒人女性、母、友人、恋人など、複数の役割として社会に存在することについても、この本の中で探求している。 1974年発表のNew York Head Shop and Museumでは束縛されていた子供時代と公民権運動に関わった時代のニューヨークをロードの目を通して捉え、貧困に対する政府の無策を批判した。 1976年には、最初の二編の詩集の詩を含む『Coal』を1976年に出版して、一般的に広く認知されるようになった。この本には、ロードの人生を通してのテーマの多くが含まれている。人種差別に対する強い怒り、黒人としてのアイデンティティの祝福、そして女性の経験を交差的に理解することの大切さへの呼びかけなどが込められている。 1978年には『The Black Unicorn』を出版し、アフリカの女神の神話を通して、アフリカ系アメリカ人女性のアイデンティティの再定義を試みた。これはパン・アフリカニズムを継承しつつ、、作家のアミリ・バラカやイシュマエル・リードなどがアフリカ神話を元に提唱してきた、男神が世を切り開き守護するというクリシェに対する挑戦でもあった:638。他にも多くの詩集を残した。
※この「ロードの詩」の解説は、「オードリー・ロード」の解説の一部です。
「ロードの詩」を含む「オードリー・ロード」の記事については、「オードリー・ロード」の概要を参照ください。
- ロードの詩のページへのリンク