ロタリンギアとは? わかりやすく解説

ロタリンギア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/19 02:43 UTC 版)

ロタリンギア王国
Regnum Lotharii
855年 - 869年[注釈 1]

855年のプリュム条約後のロタリンギア王国(      紫の部分)とその他のフランク諸王国
公用語 古フリジア語
古低ドイツ語
古高ドイツ語
古フランス語
イディッシュ語
中世ラテン語
宗教 カトリック
首都 不明
国王
855年 - 869年 ロタール2世
変遷
プリュム条約 855年
ロタール2世死去 869年
メルセン条約 870年
東フランク王国領に 922年

ロタリンギア(Lotharingia)は、西ヨーロッパに短期間存在した王国である。ロタール2世が父ロタール1世中フランク国王神聖ローマ皇帝)から継承した領土の集合。名前はラテン語のLotharii Regnum(ロタールの領土)に由来する。

歴史的経緯

本領域は、843年のヴェルダン条約によって分割されたカロリング朝の諸王国のうち、北部に位置する。ロタール2世の死後、その遺領は870年のメルセン条約によって、東フランク王国西フランク王国の間でさらに分割された。

領域の構成

厳密には、「ロタリンギア人」という統一された民族集団は存在しなかった。ロタリンギアと総称される地域には、現在以下の国々や地方が含まれる。

「ロタリンギア」の名称は、ロレーヌ(フランス語:Lorraine)、ロートリンゲン(ドイツ語:Lothringen)の語源となった。

その後の変遷

ロタール2世の死後、ロタリンギアは独自の王を持つことはなかった。ドイツ王ハインリヒ1世(捕鳥王)は、分割された諸国をドイツ王の支配下にある公領として統治した。その子であり後継者であるオットー大帝は、弟であるケルン大司教ブルーノにその支配権を委ねた。959年、ブルーノは公領を上ロタリンギアと下ロタリンギアに永続的に二分した。

上ロタリンギアはロレーヌ(ロートリンゲン)公国となり、1766年まで存続した。ロレーヌは、1000年もの間、フランスドイツの間の係争地となった。

下ロタリンギア(現在のベルギー、オランダドイツライン川西岸、フランス北部・スヘルデ川の東)の公は、1190年に完全に権威を失墜した。11世紀から12世紀にかけて、下ロタリンギア公国は複数の公国(ブラバント、リンブルフ、ゲルデルン)、司教領、伯領、帝国直轄地へと分裂した。ブラバント公は、下ロタリンギア公(またはロチエ公、duc de Lothier)の儀礼称号を伝統的に保持した。

ロタリンギアの王

922年にロタリンギアは東フランク王国へ包含された。

脚注

注釈

  1. ^ 表記はロタール2世死去年。それ以降独自の王を持たず。922年に東フランク王国領となる。

出典

関連項目


ロタリンギア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/14 08:41 UTC 版)

ロレーヌ公国」の記事における「ロタリンギア」の解説

詳細は「ロタリンギア」を参照 ロレーヌ先行するロタリンギアは国王ロタール2世855年 - 869年治世下では フランク帝国内部での独立した王国であった。その領域元来ルートヴィヒ1世の3人の息子間で分割取り決められヴェルダン条約843年創設され中部フランク王国一部であった中部フランクロタール1世割り当てられそれ故にLotharii Regnumと呼ばれた855年ロタール1世が死ぬと更に三つ分割されロタール2世北部受け取った。その領域当時ブルゴーニュ伯領から北海南部伸びた広大な領域含んでいた。この領域フランスではロレーヌLorraine)として知られ他方ドイツでは次第ロートリンゲンLothringen)として知られるようになったアレマン語がかつてロレーヌ話されており、接尾字の-ingenは正確には、比喩的な感覚では"Lotharingen"は"ロタール属す土地"と表現されるロタール2世後継者を残すことなく没したことで、その領域870年メルセン条約東フランク王国西フランク王国分割され最終的に880年リブモント条約全域東フランク王国支配下置かれた。911年の、ルートヴィヒ4世の死で東フランク王国カロリング朝絶えると、ロタリンギアは一旦は西フランク王国吸収されたが、925年東フランクハインリヒ1世によって征服された。宿敵であるユーグ大公との争いが行詰ったことにより942年西フランク王ルイ4世は全ロタリンギアの請求権放棄した

※この「ロタリンギア」の解説は、「ロレーヌ公国」の解説の一部です。
「ロタリンギア」を含む「ロレーヌ公国」の記事については、「ロレーヌ公国」の概要を参照ください。

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