レーベル設立
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「フォルマ (レーベル)」の記事における「レーベル設立」の解説
レーベルの第一作(であると同時にデオダート名義では初リーダー作)となるアルバム「Inútil Paisagem」は、1964年6月21日から6月23日にかけて録音され、同年中に発表された。この作品はアントニオ・カルロス・ジョビンの作品集で、アルバムにはジョビンがデオダートへよせた賛辞も掲載された。 以降、クアルチンはフォルマにおいて1964年末までにルイス・カルロス・ヴィニャスの処女作や、グラウベル・ローシャの映画「黒い神と白い悪魔 (Deus e o Diabo na Terra do Sol)」のサウンドトラック(音楽:セルジオ・ヒカルド)、クアルテート・エン・シーの初リーダー作を手掛けた。 一方、リオで生地店を営むゲバラ家の跡継ぎだったワジは、利益を度外視してでも芸術性の高い作品作りを追求しようと、レーベルへ資金を提供するとともに、音楽監督も務めた。 ゲバラは、ボサノヴァ創世記から活動する作曲家のシコ・フェイトーザの自作自演集の音楽監督をつとめたのを皮切りに、モアシール・サントスのデビュー作「Coisas」、クアルテート・エン・シーとタンバ・トリオのコラボレーション・アルバムなど、ボサノヴァ・ムーブメントの重要人物たちのアルバムを立て続けに制作していった。 クアルチンとゲバラの2人は、共同プロデュースのもと1966年1月3日から1月6日にかけてバーデン・パウエルとヴィニシウス・ジ・モラエスによるアルバム「Os Afro Sambas」を制作。当時民間信仰であるカンドンブレに感銘を受けていたヴィニシウスが、バーデンと共にバイーア州に赴き制作した本作は、アフリカからブラジルへ伝来した様々な要素とサンバを融合させた点が、「ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ (MPB)の分岐点となった作品」と評価され、ローリング・ストーン・ブラジルが選んだ「ブラジル音楽の偉大なアルバム100」で29位に選出された。 60年代後半に入ると、ボサノヴァは衰退し、取って代わるようにMPBが台頭。フォルマは1968年にフィリップス・レコード内のブランドとして組み込まれ、独立系レーベルとしての歴史を終えた。
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