リコール等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 08:21 UTC 版)
発売早々、2台のカルマが炎上する事件があり、2011年11月には冷却水の漏出が原因でバッテリーが短絡する恐れがあるとして239台がリコールされている。2012年3月にはコンシューマー・レポート誌のロードテスト中にバッテリーが故障して再始動できなくなるトラブルが発生した。この時のテスト車両は320kmも走っていない新車であり、実走試験に先だって行われていたスピードメーターの適正試験の後に始動不能となった。同誌はカルマを評して「我々は年間80台余りの新車を購入してテストしているが、チェックイン・プロセスの後に走行できなかった例は初めてである。」と酷評した。結局、同誌のテスト車両のトラブルはA123・システムズにおけるバッテリーの製造工程に問題があったとして、2012年5月時点で出荷済みの1,400台余りの車両全てが2度目のリコールの対象となった。また、2012年のハリケーン・サンディがニューヨークを襲った際に、少なくとも10数台のカルマが水没し、そのうち16台が炎上、爆発したことも報道されている。これらのトラブルの原因はA123・システムズが製造したリチウムイオン電池とされていたが、A123・システムズはフィスカーをはじめ4つの企業が製造した電気自動車の大量リコールにより5,500万ドルもの費用が発生するとともに製品の評価は下落、商談が破談になるなど致命的な打撃を受け、2012年に連邦倒産法11章の申請を行い経営破綻した。 A123・システムズの破綻によりカルマの生産は5ヶ月に渡りストップし、その後も新たなバッテリー供給の目処は立たず、在庫分による製造を最後に2012年以降はカルマの新規製造は行われなくなった。カルマのバッテリー問題によりフィスカー社の資金繰りは極端に悪化し、DOEへの資金返済が滞り始める深刻な経営危機に直面した。煽りを食う形で2013年に発売が予定されていたカルマをベースにしたオープンカーであるフィスカー・サンセット、シューティングブレーク型ハッチバック車のフィスカー・サーフ、小型セダンのフィスカー・アトランティック(英語版)などの派生車両の販売計画は全て凍結された。
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