リコールと企業の社会的責任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 07:13 UTC 版)
「リコール (自動車)」の記事における「リコールと企業の社会的責任」の解説
近年、一部の企業において、制度そのものを根底から否定するリコールの闇改修を多年にわたり繰り返しおこなう事件が発生し、法律の運用以前のモラル問題が顕在化した。 1996年にスバル・レガシィがブレーキの故障によって正面衝突する事故を起こしたことがきっかけで欠陥隠しが判明した。1998年、東京地裁は富士重工業に過料140万円(7件分)の支払いを命じた。またこの件で幹部二人に業務上過失致傷で有罪判決が下った。 1999年、運輸省(当時)から初めて1977年から行っていたリコール隠しによる改善措置勧告書が出された。そして、三菱リコール隠し事件・三菱ふそうリコール隠し事件以降、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility, CSR)が厳しく問われるようになり、日本版企業改革法(日本版SOX法)制定への追い風になったという意見もある。2004年、三菱が1999年に発覚した時に全ての情報を開示せず、リコール隠しを続けていたことが発覚する。死亡事故を2件含む多数の人身事故を起こしていたことが発覚する。 2004年8月にはトヨタ自動車で1988年から行われていたリコール放置が発覚し、国土交通省が業務改善指示を通達した。 2014年12月、本田技研工業が、タカタ製エアバッグの不具合に関して、調査リコールを全世界で行うと発表した。調査リコールとは、車両に関する不具合や欠陥に関し、メーカーが予防的措置として自主回収した上で、原因を調査し、特定することを目的とするリコールである。2016年4月の日本経済新聞の報道によると、タカタのエアバッグ搭載車は全世界で1億台以上、費用は総額1兆円に上るものとみられる。
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