ラタキア沖への進出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 05:32 UTC 版)
「ラタキア沖海戦」の記事における「ラタキア沖への進出」の解説
6日夜、北方任務部隊とともに北上中のバルカイ大佐は開戦の知らせを受け、遭遇する全ての敵艦船を沈める権限を付与された。これを受け、バルカイ大佐はシリアの主要港であるラタキアの沖に進出して、シリア艦隊を撃滅することを決心した。 イスラエル艦隊は、左側に「ミツナク」「ガーシ」「ハニット」、右側に「ミブツァフ」「レシェフ」と、二列の縦陣を形成しており、まずシリアの沿岸レーダーを避けるため、西側に大きく回頭してキプロス島に向かったのち、ラタキアに進路を転じた。なおこの内、「ミブツァフ」はミサイル未装備であった。また秘密保全よりも通信の迅速と確達を優先する必要から、作戦中は無線電話での平文交話を主体としていた。 22時28分、ラタキア沖南西35海里 (65 km)で、「ミツナク」のレーダーが1隻の目標を探知した。民間船である可能性が否定できなかったことから、SSMによる視程外での攻撃は行わず、まず同艇が接近して40mm機銃で威嚇射撃したところ、機銃による応射を受けた。目視でもシリア軍の魚雷艇であることが確認されたことから、「レシェフ」の76mm単装速射砲によって撃破された。バルカイ大佐は、大破・漂流するシリア軍魚雷艇の処分のため「ハニット」のみを残し、残る全艦でラタキア沖への進撃を継続した。 シリア軍魚雷艇は、撃破される前に敵艦隊の接近を司令部に報告していたことから、ラタキア沖で哨戒にあたっていたT-43型掃海艇は逃走にかかった。これに対し、まず「ガーシ」が距離20キロメートルでガブリエル艦対艦ミサイル(SSM)を発射したものの、まだ有効射程外であったために目標まで届かず、海中に没した。続いて「レシェフ」が距離18キロメートルで発射し、こちらは命中した。同艇は更にもう1発発射し、こちらも命中させた。
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