ユメセイキ【ユメセイキ】(食用作物)
登録番号 | 第12182号 | |
登録年月日 | 2004年 8月 18日 | |
農林水産植物の種類 | 小麦 | |
登録品種の名称及びその読み | ユメセイキ よみ:ユメセイキ | |
品種登録の有効期限 | 20 年 | |
育成者権の消滅日 | ||
品種登録者の名称 | 長野県 | |
品種登録者の住所 | 長野県長野市大字南長野字幅下692-2 | |
登録品種の育成をした者の氏名 | 牛山智彦、桑原達雄、斎藤稔、久保田基成、井ノ口明義、羽田丈夫、前島秀和、土屋宣明、近藤武晴、細野哲、酒井長雄、田淵秀樹、後藤和美 | |
登録品種の植物体の特性の概要 | ||
この品種は、「関東107号」に「東山24号」を交配して育成された固定品種であり、育成地(長野県須坂市)における成熟期は中、穂発芽性が難、60%粉アミロース含量が少の食用向きの品種である。叢性は中、株の開閉はやや開、鞘葉の色は無である。稈長はやや短、稈の細太は中、剛柔はやや剛、ワックスの多少はやや少、葉色はやや淡、葉鞘のワックスの多少はやや多、毛の有無・多少は無~極少、葉身の下垂度は中、フレッケンの有無・多少は無~極少である。穂型は紡錘状、穂長はやや長、粒着の粗密及び穂の抽出度は中、ワックスの多少は少、ふ毛の有無は無、葯の色は黄、芒の有無と多少はやや少、芒長は中、ふの色は褐である。粒の形及び大小は中、色は褐、頂毛部の大きさは中、粒の黒目の有無・多少は無~極少、千粒重はやや大、容積重は中、原麦粒の見かけの品質は中の上、粗蛋白質含量は中、灰分含量はやや少である。うるち・もちの別はうるち、播性の程度はⅣ、茎立性、出穂期及び成熟期は中、遺伝子雄性不稔及び細胞質雄性不稔の有無は無、耐寒性はやや強、耐雪性はやや弱、耐凍上性はやや強、耐倒伏性は強、穂発芽性は難、脱粒性は中、収量性はやや多である。粒の硬軟はやや軟、粒質は粉状質、製粉歩留はやや低、60%粉粗蛋白質含量及び60%粉灰分含量はやや少、60%粉アミロース含量は少、粉の明度はやや高、粉の赤色みは中、黄色みはやや低、吸水率はやや高、バロリメーターバリュウはやや低、生地の力の程度は小、伸長抵抗は弱、伸長度はやや短、形状係数は小、最高粘度は大である。うどんこ病抵抗性はやや強である。「シラネコムギ」と比較して、穂発芽性が難であること、穂のワックス及び60%粉アミロース含量が少ないこと等で、「キヌヒメ」と比較して、出穂期が遅いこと、60%粉アミロース含量が少ないこと等で区別性が認められる。 | ||
登録品種の育成の経過の概要 | ||
この品種は、昭和63年に長野県農事試験場(須坂市)において、「関東107号」に「東山24号」を交配し、平成2年にその実生の中から選抜、以後、固定を図りながら特性の調査を継続し、12年にその特性が安定していることを確認して育成を完了したものである。 |
ユメセイキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/10 03:22 UTC 版)
ユメセイキは長野県農事試験場(現・長野県農業試験場)が育種した小麦の品種[1]。日本麺用品種である[1]。
開発の経緯
長野県の小麦栽培としてナンブコムギやシラネコムギの作付けが行われていたが、これらは比較的に固めの食感を持っていた[2]。消費者にはソフトで滑らかな食感を求める傾向もあり、低アミロース種がこういった需要に応えるのだが、長野県での栽培に適する品種は無かった[2]。地場産業振興の目的もあり、長野県内で入手でき、栽培に適した品種で低アミロースであり、多収・穂発芽性が難な上に栽培が容易で、うどんの官能評価が高い品種の育成が求められた[2]。
1988年度に長野県農業試験場において関東107号と東山24号の人工交配を行ったことを始まりとして、派生系統育種法により選抜固定を図り、2000年度の雑種第12代(F12)をユメセイキと名付けた[2]。
特徴
ユメセイキの特徴として以下が挙げられる。
- 麺にしたときの粘弾性が高く、滑らかで食感に優れる[3]。
- 穂発芽性は難で、成熟期の降雨による品質低下を防げる[3]。
- 稈長は短く、穂長は長く、収量性に優れる[3]。
- 出穂期、成熟期はシラネコムギとほぼ同等[3]。
「信州の夢」うどん
うどん麺の原料小麦を100%長野県産とし、内50%以上をユメセイキを用いて、千曲市、長野市、および周辺都市で製造された手打ち、手打ち式のご当地うどんを「信州の夢」として産地化推進協議会が認定を行っている[4][5]。
また、「信州のゆめ」「信州の夢」は2005年に商標登録されている[4]。
出典
- ^ a b “農業試験場”. 長野県 (2023年5月25日). 2023年5月29日閲覧。
- ^ a b c d “多収でうどんの食感が優れた小麦新品種「ユメセイキ」”. 農業・食品産業技術総合研究機構. 2023年5月29日閲覧。
- ^ a b c d “麦栽培マニュアル 小麦 ユメセイキ”. 農業・食品産業技術総合研究機構. 2023年5月29日閲覧。
- ^ a b c d “「ユメセイキ」(小麦粉)について”. 千曲市 (2022年3月2日). 2023年5月29日閲覧。
- ^ “「信州の夢うどん」発売(柄木田製粉)”. 日本食糧新聞 (2004年12月10日). 2023年5月29日閲覧。
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