メーカー毎の固有名称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/23 09:37 UTC 版)
「バーチャルアナログ音源」の記事における「メーカー毎の固有名称」の解説
バーチャルアナログ音源はシンセサイザーメーカー各社が独自のネーミングを用いるケースが多い。 YAMAHAAN音源(Analog Physical Modeling)はAN1xやAN200、PLG150-ANに搭載されている。AN音源はデジタル制御であるが音色合成のための各ユニットをVCO、VCF、VCAと呼ぶ。AN音源のVCOではPulse波形に限らずSaw波形でもPulseWidthを変えたり、変調することができる。その他独自のパラメータとしてEdgeを持つ。Edgeパラメータを最小にすることで正弦波が得られる。近年では同社・reface CSでパラメータを簡略化したAN音源も登場した。 RolandSuperNATURALトーンはJUPITER-80やINTEGRA-7、JD-XA、FA-08などに搭載されている。OSC、Filter、Ampなどのセクションから構成されるPartialと呼ばれる音の最小単位を最大3つ重ね合わせて音色を合成する。OSCには同社・JP-8000に初めて搭載されたSuper-Sawも備わっていて、7つの鋸歯状波のDetuneを調整するパラメータが存在する。また基本波形に加え450のPCM波形もOSCとして利用できる。CommonセクションにはWaveShaperやON/OFF式のRingModulationもある。この音源方式は同社・GAIA SH-01と酷似しており後継であると見られるが、あちらにはOSCにPCM波形がない。なお、同じくSuperNaturalを冠するSuperNaturalアコースティックトーンは各楽器毎に異なる音源方式であるらしく、加算合成や物理モデル音源などが用いられているようだが定かではない。 ACBテクノロジー(Analog Circuit Behavior)は同社の製品群であるAIRAシリーズ、Boutiqueシリーズに採用されているアナログモデリング音源。従来のバーチャルアナログ音源と異なり、アナログシンセサイザーを構成している抵抗、コンデンサー、トランジスター、コイルなどのアナログパーツをひとつひとつモデリングする技術。 KORGMMT音源(Multiple Modeling Technology)はElectribeMX、R3、Radiasなどに搭載された音源。同じ名称でも製品によって仕様が異なる。例えば、RadiasはオシレータにPCM波形を含んでいるのに対し、R3にはこれが含まれていないなどである。全てに共通していて、かつ特徴的なのは基本波形に加えフォルマントオシレータを持つ点である。 XMT音源(eXpanded Modeling Technology)はKingKORGに搭載されたバーチャルアナログ音源。ヴィンテージピュアアナログシンセサイザーの再現を目標に開発されたもので、OSCとFilterに有名なヴィンテージシンセサイザーの特性を模倣したものが数多く用意されている。これらを用いて往年の名機のサウンドを再現出来るのだが、例えばProphet-5風のSaw波形をMiniMoog風のフィルターで加工するといったことも可能。なお、KingKORGは豊富なデジタルエフェクターを搭載するだけでなく、出力の直前に本物の真空管を用いたアナログオーバードライブを備えている点も大きな特徴と言える。 MOSS音源のStandardオシレータはシンセサイザーの基本波形で、矩形波以外の波形でもパルス幅を変えることができる。このOSCの先にMixer、Filter、AMPセクションに繋がる。特徴的なマルチモードフィルタには一般的なローパス、ハイパス、バンドパスフィルタに加え、バンドリジェクト、デュアルバンドパスフィルタが用意されている。このフィルタが2系統あり、直列・並列を選択できる。なお、MOSS音源自体はStandard以外に12のオシレータがあり、物理モデル音源やFM音源なども搭載されている。 AL-1音源(ハイ・クオリティ・アナログ・モデリング)はMOSS音源のStandardオシレータの発展型で、エイリアスノイズを一掃した波形をOSCとして使用する音源。基本波形の他にノコギリ波をふたつ重ねたDualSawなどの波形もある。同社・OASISとその後継機とされる同社・KRONOSシリーズに搭載された。 ArturiaTAE(True Analog Emulation)はアナログシンセサイザーの音色・波形・チューニングとその他の特性を再現する技術。基本的にソフトウェアシンセサイザーの形で提供される。
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