メヘルガルI期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 07:39 UTC 版)
考古学者はメヘルガルの年代をいくつかに分けている。メヘルガルI期は紀元前7000年から紀元前5500年までを指し、土器を伴わない新石器時代である。この地域での初期の農業は半遊牧民が行ったもので、コムギやオオムギを栽培する傍らでヒツジやヤギやウシを飼っていた。泥製の住居群は4つの区画に分けられている。多数の埋葬跡も見つかっており、副葬品として籠、石器、骨器、ビーズ、腕輪、ペンダントなどがあり、時折動物の生贄も見つかっている。一般に男性の方が副葬品が多い。装飾品としては、貝殻(海のもの)、石灰岩、トルコ石、ラピスラズリ、砂岩、磨いた銅などが使われており、女性や動物の原始的な像も見つかっている。海の貝殻や付近では産出しないラピスラズリ(アフガニスタン北東部で産する)が見つかっていることから、それらの地域と交流があったことがわかる。副葬品として石斧が1つ見つかっており、もっと地表に近いところからも石斧がいくつか見つかっている。これらの石斧は南アジアでは最古のものである。 2001年、メヘルガルで見つかった2人の男性の遺体を研究していた考古学者らは、インダス文明の人々がハラッパー文化の初期から原始的な歯学の知識を持っていたことを発見した。その後の2006年4月、「ネイチャー」誌は in vivo(生体内)で人間の歯をドリルで治療した世界最古の証拠がメヘルガルで見つかったと発表した。論文の筆者らによると、「ここで我々は、7500年から9000年前のパキスタンの新石器時代の墓地から発見された9体の成人の遺骨において、11個の臼歯に穴を開けた痕跡があることを説明する。これらの発見は、初期農耕文化の中である種の原始歯学の長い伝統が育まれた証拠」であり、この発見により初期農耕文化の中で原始歯学の伝統が育まれたことを示すという。
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