メポリズマブとは? わかりやすく解説

メポリズマブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/27 23:07 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
メポリズマブ?
モノクローナル抗体
種類 全長抗体
原料 ヒト化 (マウスより)
抗原 IL-5
臨床データ
販売名 ヌーカラ、Nucala
Drugs.com entry
法的規制
  • JP: 処方箋医薬品
投与方法 皮下注
薬物動態データ
半減期 20 日
識別
CAS番号
196078-29-2 
ATCコード L04AC06 (WHO)
PubChem SID: 47206675
DrugBank DB06612 
ChemSpider none 
UNII 90Z2UF0E52
KEGG D04923  
化学的データ
分子量 約149000
テンプレートを表示

メポリズマブ(Mepolizumab)はインターロイキン-5(IL-5)に対するヒト化モノクローナル抗体である。商品名ヌーカラ(グラクソ・スミスクライン製造販売)。ヌーカラの剤形は皮下注射のみであり、ペン、シリンジ、バイアルの3通りの製剤が存在する。重症好酸球性気管支喘息アトピー性皮膚炎特発性好酸球増加症候群(HES)、好酸球性食道炎英語版(EoE)、鼻茸好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)(チャーグ・ストラウス症候群)[1]慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対して有効である。重症好酸球性気管支喘息に対する第三相臨床試験は2014年に完了した。

効能・効果

日本で承認されている効能・効果は、「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」および「既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」である。

副作用

治験では副作用は23%に見られ、その主なものは、注射部位反応(8%)、頭痛(5%)、過敏症(2%)であった[2]

重大な副作用は2016年6月時点では設定されていない。

作用機序

ヒトインターロイキン-5(IL-5)に特異的に結合し、好酸球の細胞表面に発現しているIL-5受容体α鎖へのIL-5結合を阻害して、好酸球の増殖を抑制する。

承認取得状況

2015年11月、米国で12歳以上の好酸球性重症喘息のメンテナンス治療について他の喘息治療薬との併用を条件に承認された[3][4]

2015年12月には、欧州委員会EU地域内での 成人の重症難治性喘息に対する上乗せ治療薬として販売を承認した[5][6]

2016年3月、日本で成人と12歳以上の小児の気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)について製造販売が承認された[7]

2018年5月25日、日本で成人に対し、「既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」の効能・効果で適応追加の承認を取得した。

出典

  1. ^ Wechsler ME, et al. Mepolizumab or Placebo for Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis. N Engl J Med 2017; 376:1921-1932. DOI: 10.1056/NEJMoa1702079
  2. ^ ヌーカラ皮下注用100mg 添付文書” (2020年3月). 2021年10月28日閲覧。
  3. ^ “FDA approves Nucala to treat severe asthma”. FDA. http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm471031.htm 
  4. ^ GSKのメポリズマブが米国FDAより承認”. グラクソ・スミスクライン (2015年11月27日). 2016年6月16日閲覧。
  5. ^ Summary for the public”. European Medicines Agency. 2016年6月16日閲覧。
  6. ^ GSKのメポリズマブが欧州31か国の販売承認を取得”. グラクソ・スミスクライン (2015年12月18日). 2016年6月16日閲覧。
  7. ^ GSKの「ヌーカラ皮下注用100mg」が厚生労働省より製造販売承認を取得”. グラクソ・スミスクライン (2016年3月28日). 2016年6月16日閲覧。

関連項目

  • デュピルマブ - ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体 アトピー性皮膚炎/気管支喘息/慢性副鼻腔炎に適応を持つ。
  • オマリズマブ - ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤 気管支喘息/季節性アレルギー性鼻炎/慢性蕁麻疹に適応を持つ。

メポリズマブ(Mepolizumab ヌーカラ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 01:33 UTC 版)

分子標的治療」の記事における「メポリズマブ(Mepolizumab ヌーカラ)」の解説

IL-5モノクローナル抗体で、好酸球増加疾患重症気管支喘息特発性好酸球増加症候群等)の治療用いられる

※この「メポリズマブ(Mepolizumab ヌーカラ)」の解説は、「分子標的治療」の解説の一部です。
「メポリズマブ(Mepolizumab ヌーカラ)」を含む「分子標的治療」の記事については、「分子標的治療」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「メポリズマブ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「メポリズマブ」の関連用語

メポリズマブのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



メポリズマブのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのメポリズマブ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの分子標的治療 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS