メジロマックイーンの降着
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 01:26 UTC 版)
「第104回天皇賞」の記事における「メジロマックイーンの降着」の解説
入線後に武はガッツポーズを見せ、そのままウイニングランを行った。正面スタンドに帰って来た際には何度もガッツポーズを繰り返し、観衆に向けてゴーグルを投げ入れるパフォーマンスも行なった。なお、入線後の向こう正面では、メジロマックイーンが審議対象であることを見越した柴田政人(カリブソング騎乗)が、「おいユタカ、ウィニングランはするなよ」と声を掛けていた。 その後検量室奥のビデオ室において、第2コーナーでメジロマックイーンが内側に入ろうとした際、プレクラスニー以下5頭の進路が狭くなった事について、該当者に対する事情聴取が行われた。まずプレジデントシチーに騎乗していた本田優がビデオ室に入り、両側から挟まれて行き場がなくなったと証言。続いて呼ばれたメイショウビトリア騎乗の岡部幸雄も同様の証言をした。プレクラスニー騎乗の江田照男は、第2コーナーでメジロマックイーンに押圧された場面について「寄られました」と述べ、もっと外には行けなかったかという質問に対しては、「僕も内から声を掛けたし、何とも……」と答えた。聴取を終えて江田が部屋を出るとき、裁決委員のひとりが「降着だな……マックイーンは」と呟いたという。最後に呼ばれた武は興奮しながら斜行を否定していたが、裁決委員から「明らかに内の馬を押圧して進路を妨害している」とパトロールビデオを見せられると、押し黙った。 聴取の終了後、検量室に出てきた裁決委員がメジロマックイーンの18着降着とプレクラスニーの繰り上がり優勝を告知し、GI競走史上初となる1位入線馬の降着が確定した。競走後15分後の事であった。降着理由はメイショウビトリア(16位入線)、プレジデントシチー(18位入線)およびムービースター(10位入線)に対する進路妨害で、武に対しては開催6日間の騎乗停止も科せられた。本田優は後に「後ろに弾かれた時に、メジロマーシャスにぶつからなければ落ちてたでしょうね。本当に危なかった。レースが終わってから『お前、よく落ちなかったな』とある騎手に言われましたよ」と振り返っている。 繰り上がり優勝の江田は、武が保持していた秋の天皇賞史上最年少制覇記録を更新した(19歳8ヶ月)。 処分の発表後、武は「悪い事をしたと思ったら、ガッツポーズもウイニングランもやりません。裁決室に呼ばれて、パトロールフィルムを見せられて、そこで自分の非に初めて気付いたんです」と弁明した。一方、メジログループ総帥の北野ミヤは処分および裁決委員の北野への口の利き方に対して激怒し、以降に続くジャパンカップ、有馬記念への出走拒否と、処分取り消しを求める提訴を示唆したが、両競走への出走を強く望む競馬ファンからの声などもあり態度を軟化させ、メジロマックイーンは両競走へ出走し、提訴も行われなかった。
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