マクロヴィジョン方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:25 UTC 版)
「コピーガード」の記事における「マクロヴィジョン方式」の解説
米ロヴィ社(旧社名はマクロヴィジョン社)が開発したコピーガードシステム。これが記録されたビデオソフトをVHSビデオデッキにダビングしても、ダビングされた映像は極端に明るくなったり、暗くなったり、或いは著しく垂直同調が乱れたりして、視るに堪えがたい画像になる。原理的には、VHSビデオデッキに搭載されている輝度処理回路のAGC(自動利得制御 - 輝度入力信号の利得(gain)を自動調整し、適切な輝度を保つ)機能を誤動作させる映像信号を入れることにより引き起こされる。 多くのテレビには、AGC回路が無いので映像が乱れることはないと言われており、また、そういった理由から市販DVDなどのソフトのパッケージに「DVDプレーヤーをビデオデッキ経由でテレビに接続すると、画像が乱れることがあるので、直接テレビに接続してください」と書かれているのだが、テレビデオについては、一部の機種で入力された映像が乱れて、正常に表示されない場合がある。 マクロヴィジョン方式のコピーガードは、AGC機能を備えるビデオデッキでなければ効果を発揮することが出来ない為、Hi8・8ミリビデオ・ベータマックス、初期の頃のVHS、或いはAGC機能を切った業務用ビデオデッキでは、コピーガードが働かず、その他、過去に発売された製品の中には、同期信号の入れ替えなどによって、マクロヴィジョン方式が無効(同期信号の入れ替えなどによって、後述の「CGMS-A」も無効になる場合がある)になってしまう録画機も一部存在する。あるいはビデオデッキ2台をRFケーブル接続した場合も、無効になる場合もある。 なお、日本においてはマクロヴィジョン方式のバリエーション的なものも存在し、例えば「松竹方式」「シナノ企画方式」といったものなども存在し、当時としては、かなり強力なガードであり、古いビデオデッキ利用やRF接続程度では、全く解除できるものでは無いほどで、普通に視聴していてもノイズが気になるという苦情もあった。そういった理由であえてコピーガードを除去する装置を利用するAVマニアも一部に存在していた。 もっとも、最近のDVDレコーダーやBDレコーダー等はこのマクロヴィジョン方式のコピーガード信号を検出したら、自動的に録画停止になるなどの動作をするものも多くなっているが、上記で述べた同期信号を入れ替える一部の製品を経由して、映像信号を入力する事で、DVD-R/RW/RAM、BD-R/RE等のメディアへの録画が可能な場合がある。波形モニタで表示させたマクロヴィジョン信号を、右図中の1に示す。
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