マクラーレン_MP4-17とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 乗り物 > > マクラーレンのF1マシン > マクラーレン_MP4-17の意味・解説 

マクラーレン・MP4-17

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/09/06 08:01 UTC 版)

マクラーレン・MP4-17
マクラーレン・MP4-17D
MP4-17Dをドライブするキミ・ライコネン
カテゴリー F1
コンストラクター マクラーレン
デザイナー エイドリアン・ニューウェイ(テクニカルディレクター)
マイク・コフラン(チーフデザイナー)
先代 マクラーレン・MP4-16
後継 マクラーレン・MP4-18
主要諸元
シャシー カーボンファイバー モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, インボード・トーションバー/ダンパー, プッシュロッド ベルクランク
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, インボード・トーションバー/ダンパー, プッシュロッド ベルクランク
エンジン メルセデス・ベンツ FO110M V10 (90度) NA
トランスミッション マクラーレン製 縦置き 6速セミAT シーケンシャル
燃料 モービル
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム ウエスト マクラーレン メルセデス
ドライバー 3. デビッド・クルサード
4. キミ・ライコネン
コンストラクターズ
タイトル
0
ドライバーズタイトル 0
初戦 2002年オーストラリアグランプリ
出走
回数
優勝
回数
ポール
ポジション
ファステスト
ラップ
33 3 2 5
テンプレートを表示

マクラーレンMP4-17 (McLaren MP4-17) は、マクラーレン2002年のF1世界選手権に投入したフォーミュラ1カー。デザイナーはエイドリアン・ニューウェイ2002年の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。2003年には改良型のMP4-17Dを開幕戦から最終戦まで使用した。

MP4-17

MP4-17より、タイヤメーカーをブリヂストンからミシュランに変更した。また、前作のMP4-16はフロントサスペンションにシングルキールを採用していたが、このマシンからツインキールに変更された。フロントノーズは若干下げられ、フロントウイングが3エレメントとなっている。排熱装置として使用されたチムニーは廃止され、ウイングレットと合わさった形状のものに置き換えられた。しかし開幕戦以降は大型フィン1枚と排熱口が上下に並んだ形状のものに改修された。

2002年シーズン

ミカ・ハッキネンの離脱に伴い、彼の推薦もありザウバーからキミ・ライコネンを獲得した。開幕戦ではいきなりライコネンが3位表彰台を獲得。しかし、このあと第8戦まで入賞することができなかった。第11戦フランスGPでは終盤トップを走行していたが、トヨタアラン・マクニッシュのマシンからのオイルに乗ってコースオフ。その瞬間を見逃さなかったミハエル・シューマッハにかわされ2位完走。初優勝はお預けとなった。ただし、リタイヤを10回もしたこともあり、ランキングは6位に終わった。

デイビッド・クルサードはハッキネンの引退によってエースドライバーとなった。しかし、この年はフェラーリF2002、ミハエル・シューマッハという強力なタッグを相手にして、勝機は少なかった。第7戦モナコGPではスタートでトップを奪い、そのままチェッカーを受けてマクラーレン唯一の勝利を挙げた。ライコネンとは対照的にリタイヤは4回のみ。

タイヤをブリヂストンからミシュランにスイッチしたことでマシン特性が完全にタイヤに特化できず、コンストラクターズランキングでもウィリアムズBMWに越され、3位となった

スペック

2002年フランスGPでミハエル・シューマッハにパスされる、キミ・ライコネンがドライブするMP4-17

シャーシ

  • ダンパー マクラーレン
  • クラッチ AP
  • ブレーキキャリパー AP
  • ブレーキディスク・パッド カーボンインダストリー
  • ホイール エンケイ
  • タイヤ ミシュラン

エンジン

結果

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 ポイント ランキング
AUS
MAL
BRA
SMR
ESP
AUT
MON
CAN
EUR
GBR
FRA
GER
HUN
BEL
ITA
USA
JPN
2002 3 デビッド・クルサード Ret Ret 3 6 3 6 1 2 Ret 10 3 5 5 4 7 3 Ret 65 3位
4 キミ・ライコネン 3 Ret 12 Ret Ret Ret Ret 4 3 Ret 2 Ret 4 Ret Ret Ret 3

太字はポールポジション、斜体字はファステストラップ

  • ドライバーズランキング
    • デビッド・クルサード 5位
    • キミ・ライコネン 6位

MP4-17D

2003年ハンガリーGPにて、MP4-17Dを駆るデビッド・クルサード

MP4-17DはMP4-17のDスペックではなくDeveloperのDである。当初は2003年用の新車であるMP4-18が実戦に登場するまで使用される予定だった。しかし、MP4-18がクラッシュテスト不通過や、信頼性の低さから投入を断念することとなり、結局シーズン終了までMP4-17Dが使用された。

モノコックなどの基本的なデザインはMP4-17がベースとなっているため、開幕戦に投入されたマシンは2002年と比べてそれほどの変化は見られない。細かい所ではバージボードが今までの大型1枚ものから小型の2枚ものに変更されたほか、フロントウイングに改修が行われている。第14戦イタリアGPでリヤ周りのエアロダイナミクスを大幅に変更。MP4-18で採用されていたものを改修してMP4-17Dに搭載した。

2003年シーズン

ドライバーは前年からの継続。開幕戦はクルサードが第2戦はライコネンが優勝し、幸先のよいスタートを切る。その後ライコネンは優勝こそ無いものの、表彰台を確実に獲得していき、タイトル争いに絡んでいく。第15戦アメリカGPで天候の急変にうまく対応できず、ミハエル・シューマッハ1位、ライコネン2位となり、何とかタイトル獲得の可能性を残したが、9ポイント差という絶望的な状況で最終戦を迎えた。最終戦日本GPでも予選で天気が急変。ミハエルは予選14番手に沈み、さらにレース中の接触事故によって最後尾に落ちた。ライコネンが優勝し、ミハエルが入賞できなければライコネンがチャンピオンとなる。しかし、トップは同じくフェラーリのルーベンス・バリチェロが走行していた。結局ライコネンが2位、ミハエルが8位となり、ライコネンはたった2ポイント差でチャンピオンを逃した。

クルサードは開幕戦で優勝したが、その後は第12戦ドイツGPと最終戦日本GP以外は表彰台にあがることができず、タイトル争いに加わることも無く、ランキングはルノーフェルナンド・アロンソのひとつ下の7位でシーズンを終えた。2003年シーズン終了後にファン・パブロ・モントーヤがマクラーレンへの2005年からの移籍を発表。クルサードは2004年いっぱいでマクラーレンを去ることが決まってしまった。

スペック

MP4-17(左#4)とMP4-17D(右#6)、ドニントン・グランプリ・コレクション展示

シャーシ

  • ダンパー ペンスキー/マクラーレン
  • クラッチ AP
  • ブレーキキャリパー AP
  • ブレーキディスク・パッド カーボンインダストリー
  • ホイール エンケイ
  • タイヤ ミシュラン

エンジン

  • エンジン名 メルセデス FO110M
  • 気筒数・角度 V型10気筒・90度
  • 排気量 2,998cc
  • スパークプラグ NGK
  • 燃料・潤滑油 モービル

結果

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント ランキング
AUS
MAL
BRA
SMR
ESP
AUT
MON
CAN
EUR
FRA
GBR
GER
HUN
ITA
USA
JPN
2003 5 デビッド・クルサード 1 Ret 4 5 Ret 5 7 Ret 15 5 5 2 5 Ret Ret 3 142 3位
6 キミ・ライコネン 3 1 2 2 Ret 2 2 6 Ret 4 3 Ret 2 4 2 2

太字はポールポジション、斜体字はファステストラップ

  • ドライバーズランキング
    • デビッド・クルサード 7位
    • キミ・ライコネン 2位

脚注


「マクラーレン MP4-17」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マクラーレン_MP4-17」の関連用語

マクラーレン_MP4-17のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マクラーレン_MP4-17のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマクラーレン・MP4-17 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS