ボナ・デア・スキャンダルとは? わかりやすく解説

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ボナ・デア・スキャンダル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 13:44 UTC 版)

ボナ・デア」の記事における「ボナ・デア・スキャンダル」の解説

ボナ・デア儀式で最も知られているのは、紀元前62年12月4日行われた、その年のプラエトル(かつ最高神祇官ガイウス・ユリウス・カエサルの母アウレリア主催したものであったプブリウス・クロディウス・プルケルカエサルの妻ポンペイアと密会する為に女装をして儀式忍び込んだものの、アウレリアによってその不逞行為発覚し、神への冒瀆として告発されたというものである。 このスキャンダル政敵であったキケロープルータルコスによる記述に負うところが多く、その重大さには疑問余地がある。女装については、ディオニューソス祭りでは透け衣装纏うことが伝統的であり、当時30過ぎていたクロディウスが本気で女性になりすまそうとしていたのかどうかわからない女装して誘惑するという神話的モチーフアキレウスデイダメイアのように各国見受けられるものであり、プルータルコスによる創作疑われるキケロー友人アッティクス宛てた紀元前61年1月25日の手紙にはこうある。 ある男カエサル邸で行われていた人々のための儀式女装して訪れた。そのせいで、ウェスタの処女儀式やり直した。そのこと元老院でクィントゥス・コルニフィキウスが、我々ではなく、彼が言い出した元老院ウェスタの処女神祇官に諮り、冒涜であると決議されたため、(クロディウス罪状を問う特別審問所を開くための)ロガティオ(提案)に元老院による承認与えられ執政官公示した。カエサルは妻を離縁したそうだ — キケロアッティクス宛書簡』1.13.3 問題になったのは事件から1ヶ月以上経ってからで、上述のようにボナ・デア儀式ディオニューソス信仰深く結びついたものであるとすれば男性参加していたとしてもそれほど冒涜があったとは言えず、実際この冒涜有る無しについてはウェスタの処女神祇官にその判断仰いでいる。また女装についても、1月ローマで行われていたハーデース祭りでは、笛吹き女装して練り歩いていたといい、プトレマイオス12世哲学者ディオニューソス祭り女装しなかったことに激怒し女装してシンバル奏でることを強要したという。キケロー自身も『ピーソー弾劾演説』の中で、ローマ成人男性宴会で裸で踊り狂い口紅香水付けていたと言っているなど、それほど奇異な行動であったとは一概に言えない公的な場所で行われていた祭祀ではなく、各家庭行われていた儀式であったことからも、刑罰対象となる可能性は低い。ただ、ウェスタの処女による生け贄儀式神聖なものであった可能性高く、そこに男性居合わせることは、厳格な伝統主義者からすると冒涜であり、それを誇張され政敵利用され可能性がある。こうした冒涜に対しては、儀式やり直すだけで十分であり、また罰も「神によって裁かれる」というのがローマ伝統であった。 ただ、キケロー紀元前62年1月1日の手紙で最初にこのことに触れたとき、大きなスキャンダルになっていると言っており、やはり女装して儀式中断させたことは問題であったようで、ローマ人宗教的な行事尊重していたことが窺えるまた、ボナ・デア儀式男性にも開かれたディオニューソス儀式に近いとするには説得力がないとする反論もある。

※この「ボナ・デア・スキャンダル」の解説は、「ボナ・デア」の解説の一部です。
「ボナ・デア・スキャンダル」を含む「ボナ・デア」の記事については、「ボナ・デア」の概要を参照ください。

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