プログレス6号と無人ソユーズの打上げ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/10 02:57 UTC 版)
「ソユーズ32号」の記事における「プログレス6号と無人ソユーズの打上げ」の解説
輝かしい国際ミッションの中止はソビエト連邦のメンツをつぶし、また訪問者の受入れを楽しみにしていたリューミンとリャホフの士気を下げるものであった。ソユーズ33号の飛行中止のニュースは驚きをもって迎えられ、その後サリュート6号乗組員からの全ての音声通信が途絶えた。彼らの悪いムードは数日続いた。ソユーズ33号の失敗後、ステーションの乗組員は、疑いのある宇宙船内に閉じ込められた。ソユーズ33号宇宙船はソユーズ32号と交換される予定だったが、この失敗によってソユーズ32号のメインエンジンの信頼性にも疑問が生じた。設計が正されて新しい機体が打ち上げられるまで、緊急時にはソユーズを利用可能な状態で、サリュートで安全に過ごした。6月5日に予定されていた5度目の国際フライトは延期された。 リューミンとリャホフは、訪問する乗組員とともに行う予定だった実験(プログレス5号で運ばれていた)も含め、ステーションでの活動を継続した。実験には、Pirinと呼ばれた亜鉛結晶上での金属ウィスカーの形成観察や日中の大気のマルチスペクトル測定等が含まれていた。彼らは、メーデーには5日間の休暇を取った。 プログレス6号は、約100個の物品を積み、5月13日に打ち上げられた。補給船のエンジンの設計はソユーズ33号とは異なっていたため、エンジン事故の影響は受けなかった。積み荷を降ろすのに2日かかり、新しい航行ユニットが設置され、5月22日に補給船によりステーションの軌道を押し上げた。燃料の補給は5月28日に完了し、6月4日から5日に軌道の調整が行われ、プログレス6号は6月8日にドッキング解除した。 ソユーズ34号は無人で6月6日に打ち上げられ、6月9日に空いていた後方ポートとドッキングした。このソユーズは新しい設計のエンジンを積んでおり、試験飛行にも成功し、サリュート6号の乗組員は信頼できる帰還機を入手することができた。無人飛行であったため、いくつかの生物実験サンプルが搭載された。 ソユーズ32号には、交換した機器、処理した材料、露光フィルム、その他が2人分の宇宙飛行士の体重と同じ合計130kg分になるように乗せられた。6月13日にドッキング解除し、無人のままジェスカスガン北西295kmの地点に着陸した。翌日、ソユーズ34号は前方ポートに移され、プログレス7号のために後方ポートを空けた。
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