ハイキャップとは? わかりやすく解説

NTT大容量方式

(ハイキャップ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 09:15 UTC 版)

NTT大容量方式(NTTだいようりょうほうしき)は、1988年から日本国内のみで使用されていた、FDD-FDMA-FMアナログ携帯電話である。HiCAP(ハイキャップ)とも呼ばれる。

1999年3月NTTドコモ・IDOとも第2世代移動通信システムに周波数帯域を転用するためサービス終了した。

NTT方式

1979年東京都心でサービス開始された世界初の小ゾーンセルラー方式の自動車電話である。

広い周波数帯域のとれる800MHz帯を使用・基地局間自動ハンドオーバー有りの集中制御形マルチチャネルアクセス無線など現在の携帯電話の基礎となる技術開発が行われた。多層構成位置登録エリアと呼ばれる、端末のグループごとに位置登録エリアの境界を変え、特定の基地局境界に位置登録の変更の要求が集中しない制御方式となっている。また、基地局からの制御チャネルに、端末をグループ分けし送信時間を限ることで端末の受信回路の動作時間を短くする間欠通信が行われている。これは、無線呼び出しにも使用されている技術である。

テレビ受像機への可搬型移動局の干渉を抑えるため、基地局が低周波数・移動局が高周波数であり、他の国と逆になっている。

基地局が切り替わるタイミングなどで、無線チャンネルの切替時には「カシャ」という制御信号とノイズが聞こえる特徴があった。

NTT大容量方式

NTT大容量方式は、加入者の増加・携帯電話端末のサービスエリア拡大などに対応するため、搬送波間隔の縮小・120°3セクターセルを採用し周波数の繰り返し利用効率を大きくしたものである。

1988年東京都23区内から置き換えが開始された。

NTT方式とNTT大容量方式の双方が使える端末(TZ-803型など)では、大容量方式の電波をつかんでいる場合には、液晶表示部のアンテナピクト左に*が点灯して判別できた。

なお、オプションの秘話サービス使用時は点滅した。(後の第二世代PDCでは、通話中の送信パワーセーブの有無を点滅で表示していた)

移動機はダイバーシティー受信回路が標準となり、移動時のマルチパスノイズが低減し、従来発生していたチャンネル切替ノイズが発生しなくなった。

また、新規参入電気通信事業者である日本移動通信(現在のKDDIauの関東・中部エリア)も採用していた。関東・中部以外ではNTTドコモのローミングを利用することができた。(有料)

1999年3月NTTドコモ・IDOとも第二世代携帯電話に周波数帯域を転用するためサービス終了した。(A帯といわれ、NTTドコモではハイパーシリーズ以降の端末でその帯域を利用できた)

諸元

各種方式の比較[1]
AMPS NTT方式 NTT大容量方式 TACS J-TACS N-TACS
送信周波数 基地局 870-890MHz 870-885MHz 860-885MHz 890-915MHz 860-870MHz 860-870MHz
843-846MHz
移動局 825-845MHz 925-940MHz 915-940MHz 968-960MHz 915-925MHz 915-925MHz
989-901MHz
無線チャネル チャネル間隔 60kHzインターリブ 55kHz 12.5kHz 25kHzインターリブ 12.5kHzインターリブ
チャネル数 666 600 2000 666 600
送信出力 基地局 45W 25W 5W 100W
移動局 3W 5W/1W 5W/1W/0.6W 7W 4W
多重アクセス方式 周波数分割多元接続
通信変調方式 変調方式 位相変調
周波数偏移 12kHz 5kHz - 9.5kHz
制御信号 変調方式 周波数偏移変調
最大周波数遷移 8kHz 4.5kHz 2.4kHz 6.4kHz

沿革

  • 1979年12月 - 東京都心で日本電信電話公社の世界初の小ゾーン自動車電話のサービス開始。
  • 1980年11月 - 大阪地区でサービス開始。
  • 1982年1月 - 名古屋地区でサービス開始。硬貨投入式自動車電話の発売開始。
  • 1984年3月 - 中小都市方式の基地局で日本全国へのサービスエリア拡大開始。
  • 1985年9月 - 肩掛け可搬型のショルダーホン(出力5W)のサービス開始。
  • 1987年4月 - 携帯電話(TZ-802型 - 体積0.5リットル, 質量約900g, 出力1W)のサービス開始。
  • 1988年5月 - 日本電信電話が東京都23区内でNTT大容量方式に変更開始。
  • 1988年12月 - 日本移動通信が東京都23区内にNTT大容量方式で新規参入。
  • 1997年12月 - NTTドコモ・IDOとも新規受付終了。
  • 1999年3月 - NTTドコモ・IDOともサービス終了。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 佐藤拓朗「1G/2Gから3G携帯電話への道のり」『RFワールド No.2』 CQ出版社、2008年6月 、16ページ

関連項目


ハイキャップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 00:59 UTC 版)

auの端末一覧」の記事における「ハイキャップ」の解説

1994年頃には、ハイキャップ端末はH10xという型番のつけ方がされた。基本的には、新機種の発売に従ってメーカーに関係なく型番一つずつ増やされ方式取られた。なお、DDIセルラーではハイキャップは提供されておらず、NTTドコモアナログ方式ローミングを行うことで全国エリア確保した

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「ハイキャップ」を含む「auの端末一覧」の記事については、「auの端末一覧」の概要を参照ください。

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