ドイツ軍の新兵器投入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 01:49 UTC 版)
「1918年春季攻勢」の記事における「ドイツ軍の新兵器投入」の解説
この攻勢に合わせて、史上初の短機関銃として開発されたMP18 約10,000挺と、ドイツ軍初の戦車であるA7V 20輌、列車砲のパリ砲 などの新兵器が投入された。 MP18は、浸透戦術を担う突撃歩兵の主力兵器として、新規に開発された短機関銃である。短機関銃とは、拳銃用弾薬を短時間に多数発射撃可能な銃火器で、射程は短いものの、当時の重機関銃や連合軍が実用化していた軽機関銃に比べれば格段に軽量で取り回しが容易であり、当時の小銃や拳銃に比べれば格段に高火力であるというもので、MP18で初めて確立されたジャンルであった。 また、突撃歩兵の支援用として、MG08/15重機関銃を空冷・軽量化して機動力を高めたMG08/18も同時期に配備されている。 MG08/18による牽制射撃の援護の下に突撃歩兵が敵陣まで疾走して肉薄すれば、短い射程の拳銃弾のMP18でも充分な制圧火力が発揮でき、手榴弾の投擲と合わせれば確実に敵の機関銃を制圧できる事が予想された。また同時に、単純な構造であれば、攻勢に間に合うだけの短期間で製造できる事が期待された。 突撃戦車 A7V(独:Sturmpanzerwagen A7V)は、膠着状態に陥った塹壕線を突破するため、突撃歩兵による浸透戦術の支援を目的として開発された。 また、改良型として、イギリス軍が戦場に投入した菱形戦車(Mk.I戦車)を模倣したA7V-Uも開発中だったが、終戦により実戦投入には間に合わなかった。 パリ砲(独:Paris-Geschütz)は、第一次世界大戦を通して最も大きな砲であり、「カイザー=ヴィルヘルム砲」(独:Kaiser-Wilhelm-Geschütz)とも呼ばれる。 この砲は口径210mmで、約94kgの砲弾が発射され、弾道は高度40000mにまで達した。40000mという高度を通過することで空気抵抗が減少するため、80マイル(約130km)という驚異的な射程を実現した。 しかし、ペイロード(弾頭荷重)は少なく、弾丸発射の摩耗から砲身を定期的に交換する必要があり、精度も都市のどこかを狙えるという程度であった。そのため、パリ市民を心理的に攻撃することが目的とされ、都市そのものを破壊することではなかった。
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