チアジド系利尿薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 19:12 UTC 版)
チアジド系利尿薬は遠位尿細管においてNa+およびCl-の再吸収を阻害する。上記に示した通りチアジド系利尿薬はアメリカのガイドライン(JNC7)においてその使用が推奨されており、中程度の利尿作用を有する。併用薬としての低用量のチアジド系利尿薬の使用は有効であるということがALLHAT試験で明らかになっている。(ただしALLHATで用いられたエビデンスのあるチアジド系利尿薬はクロルタリドン)この場合は利尿薬としての使用量よりも少ないことに注意が必要である。 チアジド系利尿薬は添付文章上は腎機能障害(Cr ≧ 2.0)、低カリウム血症、痛風が認められる場合は使用禁忌であり、妊娠、耐糖能機能障害の場合は慎重投与ということになっている。しかしこれは利尿薬として使用する場合であり、降圧薬としてチアジド系利尿薬を用いる場合は利尿作用を期待する場合の.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄4〜1⁄2量の併用となるため低カリウム血症、高尿酸血症、耐糖能障害といった不利益は最小限に抑えることができるとされている。それでも障害が重度の場合はカリウム保持性利尿薬やロサルタン、シルニジピン、アロプリノールを併用する場合もある。ただ、作用機序の問題からCr ≧ 2.0で降圧効果、利尿効果ともに無効になってしまうことは変わりない。 低用量チアジド系利尿薬は短期的には循環血症量を減少させるが長期的には末梢血管抵抗を低下させることで降圧を行うと考えられている。ADVANCE studyではACEとチアジド系利尿薬の併用薬と偽薬を比較しアドビアランスは同等であったため、利尿作用による不便さは長期的には問題とならないことが示唆されている。 代謝面の不利益から単純に高血圧治療を行うときにはβブロッカーとの併用は推奨されていない。また腎障害時(Cr ≧ 2.0)で利尿薬を使用する場合はループ利尿薬となるが、利尿作用が強い割に降圧作用は弱い傾向がある。ただし、鬱血性心不全が認められるときは鬱血の解除には有効であるためループ利尿薬を積極的に使用する。 代謝性アルカローシスは、明らかな血圧降下作用を惹起すると指摘されている。この作用がチアジド系降圧剤の降圧機序の一因子であることが指摘されている。 プレミネントなどARBとチアジド系利尿薬との合剤も販売されている トリクロルメチアジド(Trichlormethiazide フルイトランなど、一日 1〜2mg) ヒドロクロロチアジド(Hydrochlorothiazide ダイクロライドなど、一日 12.5〜25mg) チアジド類似利尿薬メフルシド(Mefruside) インダパミド(Indapamide, ナトリックス)…最もエビデンスの報告されている利尿薬 メチクラン(Meticrane) クロルタリドン(Chlortalidone) トリパミド(Tripamide)
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チアジド系利尿薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 13:39 UTC 版)
遠位尿細管においてNa+とCl−の再吸収を阻害する。降圧剤としても使用される。大規模臨床試験では他剤と遜色ない結果を得ており、現在も高血圧治療薬の代表的なものである。 ただし、チアジド系利尿薬を服用すると、しばしば重篤な低ナトリウム血症に陥る。チアジド系利尿薬は腎髄質の濃度勾配には影響を与えないため、髄質集合管で働くバゾプレッシン(ADH)の反応が起こりにくく、その結果、自由水の再吸収が生じてナトリウムが希釈されやすい。これによって重度の低ナトリウム血症をきたしやすいものと考えられている。この系統の薬の機序としては「ナトリウム排泄薬」の側面を持ち、食塩感受性高血圧の治療に則している。 ヒドロクロロチアジド(HCTZ、ダイクロトライド) トリクロルメチアジド(フルイトラン) インダパミド(ナトリックス) トリパミド(ノルモナール) クロルタリドン(ハイグロトン)
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