タマスダレ属とは? わかりやすく解説

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ゼフィランサス

(タマスダレ属 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/22 22:02 UTC 版)

タマスダレ属
サフランモドキの野生化した個体
(2007年8月26日、静岡県西伊豆
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
亜科 : ヒガンバナ亜科 Amaryllidoideae
: ヒッペアストルム連(アマリリス連) Hippeastreae
亜連 : タマスダレ亜連 Zephyranthinae
: タマスダレ属 Zephyranthes
学名
Zephyranthes
Herb. (1821)
タイプ種
Zephyranthes atamasco (L.) Herb.

ゼフィランサスは、ヒガンバナ科クロンキスト体系ではユリ科タマスダレ属[1]学名: Zephyranthes)の植物の総称。温暖な地域で生育し、土中に鱗茎を形成する多年草

近縁のハブランサス属クーペリア属英語版[2]とともに、多くの乾燥と高温の後にが降って球根が潤うと花茎をのばして開花する性質があるため、ともにレインリリーと呼ばれる[3]

名はギリシャ語Zephyros(西風、ゼピュロス)と anthos)が語源であるが、なぜそう名付けられたのかよくわかっていない。

形態・生態

10〜25cm位の草丈。

ほとんどの種が6月〜9月頃に開花する。花色は白色桃色黄色などがあり、種間の交配が比較的容易なことから、両親の血を受け継いだ様々な色合いのものが存在する。よく似たハブランサスとよく混同される。ハブランサスは斜め上向きに花が咲くのに対して、ゼフィランサスの花は直立して真上に花が咲く特徴がある[3]、とも言われるが、実際はそれぞれ上向きから横向きまで様々。雌しべの形に違いがあり、ハブランサスの雌しべはカブトムシの角に似る。

ヒガンバナ亜科の例にもれず、全草にリコリンを含み有毒であり、ニラ、鱗茎をノビルと間違えて食べて中毒を起こす例が報告されている[4]

分布

メキシコを中心に、北米南東部、西インド諸島中央アメリカ南アメリカに35〜40種がある[要出典]

人間との関わり

日本では園芸植物として広く植栽されているが、江戸時代末期から明治時代初期に渡来した、タマスダレサフランモドキは稔性こそ低い(全く結実しないわけではない)が、鱗茎の分球による繁殖力が強く、耐暑性に優れ耐寒性もあるため、日本の気候によく順応し、人里周辺に野生化したものがよく見られる。

現在でも園芸店やホームセンターなどで球根が販売されており、容易に入手できる。多くの場合、タマスダレ、ハブランサス、サフランモドキ、キバナサフランモドキ、ゼフィブランサス(ゼフィランサスとハブランサスの属間交雑種)などの球根をミックスした状態の物がゼフィランサスの名かレインリリーの名で店頭に並ぶ。

下位分類

脚注

  1. ^ 大場秀章編著『植物分類表』アボック社、2009年、54頁。ISBN 978-4-900358-61-4 
  2. ^ 近年、クーペリア属はタマスダレ属に統合されている。
  3. ^ a b 金田初代『大きな写真でよくわかる!花と木の名前事典』西東社、2014年、181頁
  4. ^ 東京都福祉保健局 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報係. “タマスダレ”. 食品衛生の窓. 2014年9月1日閲覧。
  5. ^ 日本帰化植物写真図鑑』 408頁 には、「ブラジルの原産」とある。
  6. ^ 日本帰化植物写真図鑑』 409頁。
  7. ^ 日本帰化植物写真図鑑 第2巻』 297頁。
  8. ^ 日本帰化植物写真図鑑 第2巻』 298頁。

参考文献

関連項目

外部リンク




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