ソヨゴとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 植物 > モチノキ科 > ソヨゴの意味・解説 

そよご【冬青】

読み方:そよご

モチノキ科常緑低木山地自生楕円形堅い雌雄異株で、6月ごろ白い花が咲く。実は丸く紅色熟すから褐色染料をとり、材でそろばん珠などを作るふくらしば。

冬青の画像

冬青

読み方:モチノキ(mochinoki), ソヨゴ(soyogo)

モチノキ科常緑高木園芸植物


冬青

読み方:ソヨゴ(soyogo)

モチノキ科常緑喬木


冬青

読み方:ソヨゴ(soyogo)

モチノキ科常緑低木小高

学名 Ilex pedunculosa


読み方:ソヨゴ(soyogo)

モチノキ科常緑低木小高

学名 Ilex pedunculosa


ソヨゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/25 22:07 UTC 版)

ソヨゴ
ソヨゴ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: ニシキギ目 Celastrales
: モチノキ科 Aquifoliaceae
: モチノキ属 Ilex
: ソヨゴ I. pedunculosa
学名
Ilex pedunculosa Miq. (1867)[2]
和名
ソヨゴ(冬青)

ソヨゴ(冬青[3]学名Ilex pedunculosa)は、モチノキ科モチノキ属の常緑小高木。別名フクラシバ[4]、ソヨギ[5]、フクラモチ[5]、ウチダシソヨゴ[2]

名称

和名ソヨゴは、風に戦(そよ)いで葉が特徴的な音を立てる様が由来とされ[6]、「戦」と表記される。常緑樹で冬でも葉が青々と茂っていることから「冬青」の表記も見られる。「冬青」は常緑樹全般にあてはまることから、これを区別するために「具柄冬青」とも表記される。中国植物名でも、具柄冬青(刻脈冬青)と表記される[2]。常緑で、木いっぱいに葉が茂り、風にそよぐと金属音を立てることら、ソヨゴと名付けられたといわれている[7]

フクラシバの別名は葉を加熱すると内部で気化した水蒸気が漏出することができず、葉が音をたてて膨らみ破裂することから「膨らし葉」が語源とされる。

中国名は、具柄冬青(別名:刻脈冬青)[2]

分布と生育環境

中国台湾および、日本本州関東地方以西)、四国九州に自然分布する[5][8]。本州における分布の北限は新潟県宮城県である[9]。山地や山間部によく見られる[8]。人の手によって、庭などに栽培もされる[3]

特徴

ソヨゴの赤く熟した果実

常緑広葉樹の小高木で[8]、樹高は3 - 7メートル (m) ほどで、高くなると10 mほどになる[3][10]株立ちで多く枝分かれをする樹形になる。樹皮は灰褐色でほぼ滑らか[3]、一年枝は褐色を帯びる[3]

互生[4]葉身は長さ4 - 8 cmの卵状楕円形、やや革質、光沢があってのっぺりした外見を持つ[8]。表面は明るい緑で滑らか、裏面はやや白く中肋が突出する[10]葉縁は全縁で滑らかだが、波打つのが特徴である[4][8]。葉には、1 - 2センチメートル (cm) と長めの葉柄がある。

開花期は5 - 7月頃で雌雄異株[3][5]。雄花・雌花共に径4ミリメートル (mm) ほどの小さな白い花が咲き、はっきりした花柄がついて、本年枝の葉の付け根につく[5][8]。雌花は葉腋に1 - 3個付き、雄花は集散花序に多数まとまって咲く[5]

果実は直径7 - 8 mmほどの球形の核果で、3 - 4 cmの果柄があってぶら下がってつき、はじめは緑色をしているが10 - 11月に赤く熟す[4][5]。果柄は途中に苞葉の落ちた跡がある[3]。雌株であっても、近くに雄株が無ければ結実しない。モチノキクロガネモチのように果実が多数密生することはない。

冬芽は葉の基部につき、頂芽は側芽よりも大きく、頂芽は長卵形で暗紅紫色をしている[3]

根は浅く張るために、大きく成長すると台風などによって倒れやすい。

変異種

果実が黄色くなるものをキミノソヨゴ f. aurantiaca (Koidz.) Ohwi という。また、長野県には茎が這って根を出し、葉は細長くて鋸歯が出る変種があり、タカネソヨゴ var. senjoensis (Hayashi) H.Hara がある。

日本にはモチノキ属のものが他にもあるが、多くは短い柄を持つ果実を密集してつける。しかしクロソヨゴ H. sugeroki Maxim. はやはり長い柄を持つ果実をつけ、葉の形などもやや似ているが、葉に鋸歯があり、全体にやや小さい。枝が黒っぽい。

利用

葉に赤い実を吊り下げる姿が好まれ、庭木として人気があり[8]、公園木や庭木として植栽もされている。シンボルツリーとするほか、生け垣や目隠しとして列をなして植えられる[5]。緑と赤い実が楽しまれ、常緑樹にしては寒さや日陰に強く、北側の緑地や中庭などにも利用でき[10]、成長の遅い樹として重宝される。

堅く緻密な材質ゆえ木からはそろばんの珠やの材料に使われる[7]。また手斧など工具の柄に使われることも多かったことから「具柄冬青」と書かれるようになった。葉にタンニンが多く含まれていて、褐色(オレンジ色)の染料に利用されている[4][7][11]。他のモチノキ科と同じく樹皮から鳥もちを採るのにも使われた[12]。このほか、常緑広葉樹としてはかなり北方まで生育するため、サカキの生育しない長野県などのやや寒冷な地域において、榊の代用として神事に使用されることがある[13]

種の保全状況評価

日本では以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている。

脚注

  1. ^ Ye, J., Qin, h., Botanic Gardens Conservation International (BGCI) & IUCN SSC Global Tree Specialist Group. (2019). Ilex pedunculosa. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T147378246A147639025. doi:10.2305/IUCN.UK.2019-2.RLTS.T147378246A147639025.en. Accessed on 25 Dec 2024.
  2. ^ a b c d 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ilex pedunculosa Miq. ソヨゴ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年12月25日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 41.
  4. ^ a b c d e ソヨゴ”. 広島県緑化センター (2018年1月1日). 2024年12月25日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 山﨑誠子 2019, p. 64.
  6. ^ 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、120頁。ISBN 4-12-101834-6 
  7. ^ a b c 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、363頁。 
  8. ^ a b c d e f g 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 132.
  9. ^ 内藤俊彦 「ソヨゴ」 『市史せんだい』 第4号、1994年、57頁。
  10. ^ a b c 山﨑誠子 2019, p. 65.
  11. ^ 里山の常緑樹・ソヨゴ”. 奈良県公式ホームページ. 2024年12月25日閲覧。
  12. ^ 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 40.
  13. ^ 有岡利幸『香りある樹木と日本人 木の香りある日々の暮らし』雄山閣〈生活文化史選書〉、2018年9月25日、226-228頁。 ISBN 9784639026037 
  14. ^ 宮城県レッドリスト(2016)”. 宮城県. p. 8. 2024年12月25日閲覧。
  15. ^ レッドリスト(維管束植物) カテゴリー順・分類群”. 新潟県. p. 8. 2024年12月25日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


「ソヨゴ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ソヨゴ」の関連用語

ソヨゴのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ソヨゴのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのソヨゴ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS