スロバキアの鉄道再編
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「スロバキア国鉄」の記事における「スロバキアの鉄道再編」の解説
1998年に発足したズリンダ政権は、地方の不採算線区廃止と民営化を条件に、1999年から欧州投資銀行による国鉄への融資を取り付けた。2000年には「スロバキア共和国鉄道の転換と再編に関するプロジェクト」(Projekt transformácie a reštrukturalizácie Železníc SR, 2000年政府決議830号)で、列車運行を廃止または他の輸送事業者に行わせる線区として「地方線」(Regionálna dráha)32線区を指定した。2002年1月1日の国鉄分社化では、オープンアクセスオペレーター制度を導入し、鉄道輸送事業と営業用車両の保有管理事業について鉄道企業体株式会社に分割した。 鉄道企業体は、経営立て直しと将来の完全民営化に向け、地方線の運行廃止のほか、ローカル列車の大幅削減や運賃の引き上げを行うとともに、大規模な人員整理を進めたため、当局と労働組合との対立が深刻化。このため2003年にはスロバキア共和国労働組合同盟総連盟(KOZ SR, Konfederácia odborových zväzov Slovenskej republiky)の主導で、スロバキア史上最大といわれるストライキに発展した。 さらに政府は2005年1月1日、旧ZSSKの貨物部門売却を行うために、旅客輸送事業体の鉄道企業体スロバキア株式会社(ZSSK, Železničná spoločnosť Slovensko, a.s.)と、貨物輸送事業体の鉄道企業体カーゴスロバキア株式会社(ZSSK Cargo, Železničná spoločnosť Cargo Slovakia, a.s.)の2つの国有企業を新たに設立し、旧ZSSKの事業を再分割した。 事業価値の高い鉄道企業体カーゴスロバキアについてはただちに民間売却に向けた入札が実施され、オーストリアのRail Cargo Austriaが事実上落札したが、直後の2006年の総選挙で新たに政権党となった新政党スメル(SMER)が売却を凍結した。2007年には一時、チェコの国鉄系旅客輸送事業者チェコ鉄道の子会社で鉄道貨物輸送事業者のČDカーゴ株式会社(ČD Cargo)が買収に名乗り出たが、連立与党の一つで、連邦制解消に踏み切った当時の政権党だった人民党・民主スロバキア運動(ĽS-HZDS)が反対し実現しなかった。
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