スマトラ島周辺で起こる地震の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 01:46 UTC 版)
「スマトラ島沖地震」の記事における「スマトラ島周辺で起こる地震の概要」の解説
周辺の地形図 ミャンマーから大スンダ列島、小スンダ列島、ティモール島にかけて、インド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートがぶつかり合うスンダ海溝(ジャワ海溝)がある。ここは世界有数の地震多発地帯で、スマトラ島周辺では100年から150年の周期で大きな地震が繰り返し発生している。海に面している面積が大きいため、二次災害として津波が起きやすくなっている。過去から地震を多数経験してきており、2000年代に入ってから発生した上記の地震もその一連の流れの一つである。 過去の記録では901年頃にM8.9と推定される地震、1797年にスマトラ島中部沖でM 8.4と推定される地震、1833年にスマトラ島南部沖でM 8.9と推定される地震、1861年にスマトラ島北部沖でM 8.5と推定される地震などが起きている。 2004年の地震では、スマトラ島北西沖からアンダマン・ニコバル諸島にかけてのプレートの境界(ジャワ海溝)が1,000km超にもわたる巨大な範囲でずれ、一気にマグニチュード9.1のエネルギーが解放された。これによる被災者は120万人,死者及び行方不明者数30万人以上,被害総額は78億ドル超に達すると計算されているが、実際の被害額はまだ多いと思われる。二次災害として、大きな津波が起きたため、津波のみでも甚大な被害が生じた。この地震により周辺のユーラシアプレートにかかる力が大きく変わり、2005年の地震などを誘発しているものと考えられている(「スマトラ島沖地震 (2004年)#地球への影響」も参照)。インドネシアで2004年以降地震が急増しているのは、このためではないかと見られている。なお、地震の種類としては2009年の地震(海洋プレート内地震)を除き、プレート間地震(海溝型地震)となっている。この他、スマトラ島の沖で発生したものではないが、2013年にはスマトラ島内(北部)でもM 5.9の直下型地震が発生している(スマトラ島地震)。 本来、「スマトラ島沖」はスマトラ島北西沖からスマトラ島南東沖までの広い範囲を指すが、2004年12月26日にマグニチュード9.1の地震が発生して大きく報じられて以来、「スマトラ島沖地震」はこの地震のことを指す場合が非常に多くなった。 これらの地震により火山活動も活発となっており10以上の火山で地震が増加、2006年5月と2010年10月にはムラピ山が噴火に至っている。また巨大地震の頻発により、トバカルデラにおける破局噴火に繋がる可能性も懸念されている。
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