スペクトルの観測
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「オシリス (惑星)」の記事における「スペクトルの観測」の解説
2007年2月21日、NASA とネイチャー誌は HD 209458 b および HD 189733 b のスペクトルを直接確認したと発表した。これらは系外惑星のスペクトルが直接観測された初めての例である。この観測手法は、太陽系外の意識を持たない生命体を、それらが惑星の大気に与える影響を介して探査するための方法として長い間考えられていたものである。 NASA・ゴダード宇宙飛行センターの Jeremy Richardson が率いる研究者グループは、波長 7.5〜13.2 マイクロメートルの範囲で2つの系外惑星の大気の分光観測を行った。その結果はいくつかの点で理論的な予測に反するものであった。スペクトルは大気中の水蒸気の存在を示す 10 µm でのピークを持つと予測されていたが、この観測ではそのようなピークは見られず、検出可能な水準の水蒸気が含まれていないことが示唆された。また予測されていなかったスペクトルのピークが 9.65 µm に発見され、これはケイ酸塩のダストによる雲が存在するものと解釈された。この特徴は過去に検出されていなかったものである。さらに 7.78 µm の位置にも予測していなかったスペクトルのピークが見つかり、Richardson らはこの原因は不明であるとした。ジェット推進研究所の Mark Swain が率いる別のチームも Richardson らのデータを再解析して同様の結果を導いている。 2010年6月23日には、HD 209458 b の大気中に風速が時速 7000 キロメートルに達する巨大な嵐が存在することを初めて測定したと発表された。この観測にはヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTに設置された近赤外線高分散分光装置である CRIRES が使用され、非常に高精度の分光観測が行われた。その結果、惑星の非常に高温な昼側の半球から低温な夜側の半球へ向けて、一酸化炭素のガスが非常に速い速度で流れていることを示す結果が得られた。またこの観測では系外惑星の軌道速度も直接測定され、惑星質量の直接測定が行われた。
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スペクトルの観測
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「アンドロメダ座II」の記事における「スペクトルの観測」の解説
1999年、Coteらは、W・M・ケック天文台の望遠鏡を用いて、この銀河内の7つの恒星のスペクトルを観測し、平均速度Vrが-188 ± 3 km/s、速度分散が9.2 ± 2.6 km/sであることを確かめ、質量光度比から、アンドロメダ座IIは大量の暗黒物質を含むことを発見した。また同じ1999年、Cote, Oke, & CohenはW・M・ケック天文台の望遠鏡で42個の赤色巨星のスペクトルを測定し、平均金属量<[Fe/H]> = -1.47 ± 0.19と分散0.35 ± 0.10の値を得た。 1999年、Da Costaらは、アンドロメダ座IIのヘルツシュプルング・ラッセル図を研究し、アンドロメダ座II中の大部分の恒星は60億歳から90億歳の間であることを発見した。しかし、こと座RR型変光星と青色水平分枝の観測では、100億歳以上の恒星の存在が示された。アンドロメダ座IIはアンドロメダ座Iとは異なり、水平分枝星の形態について、半径方向の勾配を見せない。さらに、存在数の分散は、アンドロメダ座IIの方が遙かに大きい。これは、これら2つの銀河がかなり異なった進化の歴史を持っていることを示している。
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