ジェンダー広告と抗議活動のその後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 15:20 UTC 版)
「私作る人、僕食べる人」の記事における「ジェンダー広告と抗議活動のその後」の解説
『私作る人、僕食べる人』のCMの放送を中止させた「行動を起こす女たちの会」は、1986年(昭和61年)に「行動する女たちの会」に改称し、1995年(平成7年)の第4回世界女性会議を区切りとして翌1996年(平成8年)に解散した。その間、引き続き女性差別につながりかねない広告に関して抗議したり日本広告審査機構に要望書を提出するなどの活動を続け、一定の成果をあげた。しかし、こうした「抗議・告発型」の活動姿勢が、若い世代の女性に敬遠され、支持を得られなかったことで、解散の一因になったとも言われている。 これに対して1984年(昭和59年)に発足した「テレビ・コマーシャルの男女役割を問い直す会」は、定期的に「そろそろやめてコマーシャル」と同時に「なかなか好感コマーシャル」を選定している。そして、「そろそろやめてコマーシャル」についても「こういう風に変えたらどうか」という提言を添えており、「テレビ・コマーシャルの男女役割を問い直す会」の活動は、作り手と受け手の意見交流を通じた新しい「提案型」の運動と評価されている。 「行動を起こす女たちの会」をはじめとするこうした抗議活動によって、時に問題視される広告もありつつも、あからさまな男女差別や性別役割分業を描く広告は次第に減少していった。しかし、SNSの普及にともなって、特にインターネットCMにおいてジェンダー表現が問題視されるケースが相次いで見られるようになってきており、「ジェンダー炎上」と呼ばれている。インターネットCMはテレビCMと比べて規制が緩く、制作者にとって挑戦的・冒険的表現に走りやすいという指摘とともに、日本社会はまだまだ男女平等が実現されておらず、性別役割分業に基づくステレオタイプが相変わらず存在していることの証左であるとの指摘もある。
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