ジェンダー表現に関する誤った認識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 10:18 UTC 版)
「ジェンダー表現」の記事における「ジェンダー表現に関する誤った認識」の解説
ジェンダー表現と性的指向は直接的には関連していない。しかし、ジュディス・バトラーによると多くの人は他人の「見た目」をもとにその人の性的指向を推定することが多いとし、それが性的指向とジェンダー表現に関する誤った認識につながっていると指摘した。 異性愛が普通だとされる社会において規範的でないとされる同性愛者は、ジェンダー表現においても非規範的だと認識されることがある。ジェンダー表現と性的指向が関係しているという誤った認識にのため、ゲイ男性はジェンダー表現にかかわらず女性らしさを持つと考えられ、レズビアン女性は男性らしさを持つと認識される場合がある。逆に、フェミニンなジェンダー表現をする男性や、マスキュリンなジェンダー表現をする女性は、異性愛者やシスジェンダーであったとしても、同性愛者であったりトランスジェンダーだと誤って認識されることがある。フェミニンなジェンダー表現をすることで知られる男性の著名人りゅうちぇるは「男の子のことを好きになったほうが、みんなからしたら分かりやすかったかな」「嘘ついているように見られているのかな」と、自分がフェミニンな表現をする異性愛者であることについて悩みを抱えていたと語った。 スタンシー・ホルンが思春期の子どもを対象に行なった研究では、そのような割り当てられた性別と一致しないジェンダー表現を行う人はハラスメントや差別の対象となることが指摘された。また割り当てられた性別とは違う非規範的なジェンダー表現を行う同性愛者は、規範的なジェンダー表現を行う同性愛者に比べてさらに受け入れられにくくなることも指摘された。また、シスジェンダーで異性愛者である男性が女性らしい(「女々しい」)ジェンダー表現を行った場合も強い差別に晒されることが示された。
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