ジェンダー違和
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 05:02 UTC 版)
出生時に決められた性別と自認するジェンダーが一致しない人は、人生において苦痛や不快感が生じることがあり、これは「ジェンダー違和 (性別違和;Gender dysphoria)」と呼ばれる。ジェンダー違和には、社会的状況によって引き起こされる「社会的違和」と身体と関連してくる「身体的違和」がある。このジェンダー違和の程度は個人差が大きく、かなり強い苦悩を抱える者もいれば、全く感じない者もいる。 医学的には、アメリカ精神医学会の精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)によれば、別のジェンダーへの強い願望に関連する臨床的に重大な苦痛または障害として認められる概念を指す。以前は「性同一性障害(Gender Identity Disorder)」とも呼ばれていた。2019年には国際疾病分類の改定版(ICD-11)が了承されたことで、「精神障害」の分類から除外され、「性の健康に関連する状態」という分類の中の「Gender Incongruence(性別不合)」に変更された。そのため今では精神疾患とはみなされない。 一方で、何らかのかたちで自分のジェンダーを肯定されたことで得られる幸福や心地よさを「ジェンダー多幸感(Gender euphoria)」と呼び、ジェンダー違和とは対極にある感覚である。
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