ジェネレーションギャップによるもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 23:34 UTC 版)
「エジプト革命 (2011年)」の記事における「ジェネレーションギャップによるもの」の解説
インターネットや携帯電話はあくまでツールの役割でしかないとする背景には、若年層(15歳~35歳)の多さと旧世代(50歳前後)とのジェネレーションギャップから来ていると指摘している向きがある。 2011年2月19日および20日付のイギリスのフィナンシャルタイムズによれば、2011年にはエジプトの人口の半分が25歳未満で、15~35歳の世代が人口の36%を占めると推測している。この層はムバーラクを腐敗や独裁の象徴として扱い、政府との対話を選んだ野党の対応にさえ「口先だけ」・「政権を延命させるだけ」と手厳しい評価を下している。対米・対イスラエル感情も不服はあるものの民主的な制度を見習うべきだと現実的な見方をしている。そのため欧米型民主主義への渇望を抱く者が多いとされる。先述にあるインターネットを駆使するのも若年層である。一部の識者は、この世代が持っている行動の背景にグローバリゼーションがあると分析する者もいる。 対して人口の15%ほどしかいない50歳以上やそれより若干多いと思われる50歳代前はむしろムバーラクに対して、老害なところはあれど悪くもなかったと評している。ムバーラク自身が第4次中東戦争で活躍し、シナイ半島をイスラエルから『奪い返した』英雄の側面があり、第4次中東戦争以降、国内では戦争が起こらなかったこと、アラブ世界から孤立したエジプトの地位回復に努めたことなども彼らがムバーラクは良くもないが悪くもないと評される理由として挙げられる。仮にムバーラクに批判的な部分はあれども、政権打倒にまで至った若年層の行動に対して、いきすぎ感をも感じている。加えて、ムバーラクが近く(任期終了後に)辞めると言っているのに、これ以上恥をかかせるべきではないと感じ、相手のメンツを重んじるというエジプトにある風習を行わない若年層を非寛容とも見ている。またイスラエルへの憎悪を抱かない、アラブ的な思考の薄い若年層に対して、民族の誇りを失い堕落していると感じてもいる。
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