シーメール・ニューハーフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:52 UTC 版)
「アダルトビデオ」の記事における「シーメール・ニューハーフ」の解説
シーメールとニューハーフは境目が曖昧であるが、本項では便宜上シーメールに統一する。 アメリカでは1980年には存在していたジャンルであるが、これが輸入され紹介されたのが嚆矢とみられる。日本製としては1986年、映研『シーメール ちえみ』が最初であるとみられる。これは主にゲイショップで販売されたものであった。主演のちえみは単なるゲイと紹介したライターもいたが、身体は、特に尻などは女性のものであったという。 だが当時の日本のAVはモザイクが濃く、シーメールものの要である陰茎が確認できない点ではものたりないものであったという。また、AV監督の山本竜二によれば、シーメールたちも(女性ホルモンの影響もあってか)勃起すらしなかったという。この辺りの性表現ではむしろマンガの方が先行していた。90年にはシーメールを越えた、純粋かつ単純に陰茎を備えたのみの女性、「ふたなり」が登場している。 その後1995年から1996年にかけてシーメールというジャンルはそれなりの市民権を得る。1996年、山本竜二、新東宝SODOM『シーメール天国 両性具有の優越』(主演女優はフィリピン人のTARA)では、恐らく日本AVで初となる、シーメールの射精が実現した。監督の山本もやはり射精については重要と考えていたようで、たまたま金銭的な問題で女性ホルモンの投与を打ち始めたところで射精可能なTARAを採用したと言ったうえ、TARAがいなければ日本のシーメールAVはいまだ勃起すらなかったかもしれない、とまで語っている。 2002年にはマンガの後を追う形で、女優(この女優は完全に普通の女性である)がペニスバンドを装着して男性的オナニーや男性のアナルを犯すという演技を行う『男根少女 広末奈緒』(ドグマ)が発売されている。後続作品も発売され、これは「ふたなりもの」として、一定の形を見る。もちろん、ふたなり女性が女性を犯す設定のものもある。 なお、男優がシーメール女優の陰茎でアヌスを犯される「逆AF」(アナルファック)というものもある。だが、これは2011年現在、シーメール風俗店では(ペニスバンドによるものも含めれば)一般的なものであり、東京都内で30-40件は見られるという。 結局のところ、このジャンルは、生物学上にせよ見かけにせよ、男性が男性に挿入、男性が女性に挿入、女性が男性に挿入、女性が女性に挿入、全てがあり得るのである。また、シーメールAV女優は2011年に至っても供給不足であり、「芸は売るがゲイは売らない」という向きが強いとのことである。
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