シャシ・サスペンション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 09:13 UTC 版)
「いすゞ・ビークロス」の記事における「シャシ・サスペンション」の解説
シャシ・フレーム自体は、ビッグホーンショートのものをほぼ流用している。変更は、ボディ=キャブのデザイン要件やバックドア側の要件に対応してフレームとキャブマウント位置を変更した程度である。マウントの位置は上記略図のように、片側5点、両側10点に位置している。マウントに用いられる材質は、乗り心地や騒音・振動の低減に有利だが変形が大きい軟らかいラバーブッシュから、ラリーレイドで使用しているナイロン樹脂に近い硬度のものに変更した。乗り心地や快適性は一般的な日常の低速走行ではあまり芳しくないが、高速走行時やダート、モーグル等の悪路では、ドライバーに路面からの情報を遅延なく的確に伝達する。 サスペンションは、前輪がダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪が4リンクコイルスプリングを用いている。カヤバ製のオイルタンク別体のショックアブソーバーが採用され、固めのスプリングと高い減衰力の組み合わせとなっている。足回りでラリーレイドからのフィードバックが特に強く反映された部品がこのショックアブソーバーであり、ビッグホーンのラリー車専用に設計されたアルミ製タンク別体式モノチューブタイプのショックアブソーバーの採用となった。開発のベース仕様(ビッグホーンラリー用)では減衰力が調整できるものであり、しかもアルミ削り出しであった。開発の際、主要メーカー数社に依頼を行い、最終的に某メーカーのアルミ製タンク別体式モノチューブタイプの開発・生産が得意な2輪部門(オートバイ)で開発を担当することとなった。当時、アルミ製タンク別体式モノチューブタイプのショックアブソーバーといえばバイク業界でも最新の技術であり、4輪用ではまだ市販どころか量産用の開発さえされておらず、2輪部門が開発を担当したのは当然の成り行きであった。 量産化に際し、調整構造の廃止と減衰力の見直し以外、競技車用とほぼ同スペックとした。 実際に部品単体でショックアブソーバーを注文すると、1本当り5万円という破格の値段であった。なお、北米仕様のサスペンション設定は、現地の路面状況や嗜好に合わせ、ショックアブソーバーの減衰力の違いや、ラテラルロッドを廃止する等の変更が加えられており、国内仕様に比べて乗り心地を重視したものになっている。
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