シェールガス革命
別名:シェール革命、シェールガスブーム
英語:shale gas revolution、shale gas boom
2012年頃に北米大陸で起こった、シェールガスが従来よりも低コストで得られるようになり、生産量が飛躍的に増加した出来事のこと。
シェールガスとは、頁岩層(シェール層)から採取される、メタンを主成分とする天然ガスのことである。シェールガスの存在は以前から知られていたが、地下2000メートル付近の非常に深い場所に埋蔵されており、採掘コストが商業生産に見合わないことから、資源としての利用は不可能とされてきた。しかし、水圧破砕法、水平坑井掘削技術、マイクロサイズミックなどの技術が発達したことをきっかけに、採掘コストが急速に低下し、商業ベースでの採掘が実現された。
シェールガス革命は、国際石油資本(石油メジャー)ではなく、中小企業の技術が主体となって起こったという特徴がある。シェールガス革命は、生産者が長年をかけて生産手法を効率化させていった結果、達成されたとされている。
シェールガス革命が起こると、国際石油資本に米国回帰の動きが見られたほか、海外から多くの資本が米国に参入するようになった。国際エネルギー機関(IEA)は、米国は2025年から2030年頃に、世界最大のエネルギー生産国になると予測している。また、シェールガス革命後、世界各国でシェールガスの探鉱が行われるようになった。日本は地質年代が新しいことから、シェールガスの採掘は期待できないとされている。
シェールガス革命は天然ガス価格の低下をもたらし、世界のエネルギー事情に大きな影響をもたらすと考えられている。特に、従来天然ガスを主要な収入源としてきたロシアや中央アジア諸国は、経済的な影響力を低下させると見られている。日本では、天然ガスの価格が石油価格と連動して決定されていることから、シェールガス革命による天然ガスの価格低下の恩恵をすぐに受けることはできず、北米からの輸入が可能になって初めて受けられるともいわれている。
シェールガスは当初、温室効果ガスの排出量が従来の石油燃料などより圧倒的に少ないと報じられたこともあったが、実際にはむしろ排出量が大きいという指摘もある。また、水圧破砕法が地下水を汚染するのではないかという懸念もある。
シェールガス革命
(シェールガスブーム から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 02:18 UTC 版)
シェールガス革命(シェールガスかくめい)あるいはシェール革命とは、今まで困難であったシェール層からの石油や天然ガス(シェールガス)の抽出が可能になったことにより、世界のエネルギー事情が大きく変わることを指す。
- ^ シェールガス革命、ロシアの憂鬱 日本向けに活路 :日本経済新聞
- ^ >出典、米国のシェールガス革命に対抗するロシア 2012年12月11日(Tue) 廣瀬陽子 (慶應義塾大学総合政策学部准教授)
>ロシアも~、長年シェールガスやシェールオイル開発を~ ~、失敗に終わったが、ソ連石油省はシェール地層の核爆発実験を何度も~
> (安い)石油・天然ガスを(売るため)(埋蔵エネルギーの開発はしなかった。) - ^ 米国最大の電力会社が原子力発電所を廃炉に、天然ガス火力へ移行 スマートジャパン 2013年2月7日
- ^ “米原発閉鎖、今年4件目-天然ガスブームで”. WALL STREET JOURNAL (2013年8月28日). 2018年7月30日閲覧。
- ^ 日本への天然ガス輸出を解禁…米エネルギー省発表 YOMIURI ONLINE 2013年5月18日
- ^ シェールガス、米社倒産で早くもバブル崩壊?電気料金値上げ抑制期待にも暗雲か Business Journal 2013年5月10日
- ^ シェールガス対日輸出、初の認可…カナダ政府 読売新聞 3月5日(火)1時24分配信
>カナダ政府から認可された。 >2012年、日本の液化天然ガス(LNG)輸入量は8731万トン
>年最大2400万トン輸出(日本には輸入)する。
- 1 シェールガス革命とは
- 2 シェールガス革命の概要
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